全国選抜ジュニア12歳以下の優勝者が決定!男子はオトリエ龍馬「できることをやり切った」 女子は佐藤実莉「自信を持ってプレーし続けた」<SMASH>

「2024 DUNLOP CUP 全国選抜ジュニアテニス選手権大会兼ワールドジュニアテニス世界大会 代表選考会」(千葉県・吉田記念テニス研修センター/ハードコート)は、5月19日にシングルス決勝を実施。12歳以下男子はオトリエ龍馬(関東・Team SanPlus)、女子は佐藤実莉(関東・荏原SSC)が全国制覇を果たした。

男子は、第3シードのオトリエが決勝で第4シードの石部宝之助(関東・TY町田ジュニアテニス)に7-5、6-2でストレート勝利。第1セットは、力強いストロークを軸にドロップショットなどの緩急あるプレーが持ち味の石部に5-2とリードを許す展開に。しかし、「高い軌道で深いボールを打てるようにした」ことで徐々にペースをつかんでいき、以降5ゲームを連取。逆転でセットを奪う。

流れをつかんだオトリエは、第2セットに入ってからも高い集中力で好プレーを維持する。高弾道なスピンで相手を揺さぶり、得意のバックハンドでウィナーを量産。最後はフォアハンドのストレートが決まり、全国初タイトルを手にした。「危ない場面もあったけど、最後までしっかり攻めて自分のできることをやり切った」

今後の課題は、もっと攻められるようにすること。「速いサービスを打てるようになりたい。そしてネットプレーにつなげられるように積極的に前に出るようにしたい」。そして将来の目標について問うと、「グランドスラムで優勝して、世界一になること。そのためにはまた全国大会で優勝して、海外の大会にも挑戦して勝っていきたい」と回答。将来が非常に楽しみな選手だ。
一方、女子はノーシードから勝ち上がった佐藤が第1シードの奥山し渚(東北/ITSベルズ)と対戦し、2-6、6-4、6-2の逆転で勝利を収めた。試合序盤、佐藤は奥山の広角に打ち分けるストロークに押され、第1セットを落としてしまう。

しかし、「どんな状況でも自信を持ってプレーし続けよう」と試合に臨んでいた佐藤。第2セットに入ると「打ち急ぐのを止めて、しっかりラリーをして、チャンスが来たら自分から攻めるようにした」という。また、スライスなどのショットを効果的に使い、奥山のリズムを崩していく。

競った第2セットを奪い返すと、勝負のファイナルセットは、佐藤の攻める展開が増えていく。終始落ち着いた試合運びで奥山に流れを渡さず、フルセットの末に勝利をものにした。勝因については「諦めずにプレーをし続けて、楽しみながらできたこと」と振り返る。

次なる目標は「海外の大会に出て優勝すること」。さらに憧れの選手について聞くと、「アリーナ・サバレンカ。服装も可愛くて、アグレッシブにプレーすることが好き」と笑顔で語っていた。

19日の12歳以下の試合結果は以下の通り。

【全国選抜ジュニアテニス選手権大会】
◆男子結果
決勝/オトリエ龍馬(関東/Team SanPlus)[3] 7-5 6-2 石部宝之助(関東・TY町田ジュニアテニス)[4]
3位決定戦/玉木翔大(関西・TASU-Club)[2] 3-6 6-3 6-3 大滝巧真(関東・アクロステニスアカデミー)[7]

◆女子結果
決勝/佐藤実莉(関東・荏原SSC) 2-6 6-4 6-2 奥山し渚(東北/ITSベルズ)[1]
3位決定戦/岩佐綾香(関東・桜田倶楽部)[2] 6-3 6-3 蛭田すず(関東・Sanyu Tennis)[8]

([]内の数字はシード番号)

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)

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