上川陽子外相「うまずして」発言の波紋 静岡県知事選コケれば遠のく〝初の女性首相〟の座

発言が波紋を呼んだ上川陽子外相

上川陽子外相の発言が波紋を呼んでいる。岸田文雄首相もコメントをするなど、現在行われている静岡県知事選(26日投開票)への影響も出かねない。

上川氏は18日に静岡県内で行われた会合で、県知事選で自民党が推薦する大村慎一候補を念頭に「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と呼び掛けていた。選挙を通じて知事を誕生させることと出産を引っかけた発言と思われるが、「子供をうまない女性は女性ではないと受け取られかねない不適切な発言だ」と野党から批判が出ていた。

上川氏は19日になって「私の真意と違う形で受け止められる可能性があるとの指摘を真摯に受け止め撤回する」とした。岸田氏も「誤解を招く表現は避けるべきだと私も思う」と語った。

川勝平太前知事が失言をきっかけに辞任したことによる知事選で起きた失言騒動だけに、与野党ともに過敏な反応もある。立憲民主党の泉健太代表は「冷静に言葉を伝えなければ、外交上の問題も発生する。外相としての資質も疑われる発言だ」と指摘しているほどだ。

知事選では自民党が推薦する大村氏のほかに、立憲などが推薦する鈴木康友候補、横山正文候補、森大介候補、村上猛候補、濱中都己候補が立候補している。永田町関係者は「鈴木氏は元浜松市長だけに浜松で強い。一方で大村氏は静岡市で強い。全体的には鈴木氏と大村氏の競り合いとなっている」と指摘した。

上川氏にとって静岡は地元。ポスト岸田に名前が挙がり、日本初の女性首相の可能性も取り沙汰される上川氏だが、推薦候補の敗北となれば、首相のイスは遠のく。ましてや自身の失言が影響したとなればなおさら。正念場を迎えている。

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