【西武】ドラ1武内夏暉の力投も報われない…OBが緊急警報「球界の宝がつぶれかねない」

強力ソフトバンク打線を8回までピシャリと封じた西武・武内夏暉だったが…

ついに黄金ルーキーまでもが〝負のループ〟にのみ込まれた。西武は19日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に1―2のサヨナラ負け。5連敗で借金は最大14まで膨れ上がった。敵地・福岡ではこれで6連敗。そのうち4試合がサヨナラ負け。悲劇の連鎖が止まらなくなってきた。

先発のドラフト1位・武内夏暉投手(22)は、この日も強打鷹打線を相手に8回まで散発3安打無失点投球。スタンドから両親が見守る地元凱旋登板で非凡なマウンドさばきを披露し、前回3日の同戦(ベルーナ)から16イニング連続ゼロ行進を続けた。

味方からの援護は初回にもらったわずか1点。虎の子の1点を死守するべく志願して9回もマウンドに上がったが、先頭打者の周東に右前打を許して状況が一変した。一塁にけん制球を投げたところで異変が生じ、豊田投手コーチとトレーナーがマウンドへ。そのまま降板となり、2番手のアブレイユが打ち込まれた。武内にはホークス戦17イニング目で初の自責点1がついたが、もちろんルーキーの奮投は責められない。

球団OBは「チームが違えば6連勝していても不思議でない内容。先制以降、中押しも期待できない状況の中で投げ続けなければいけないのは、新人にとって酷なこと。この状況が続けば球界の宝がつぶれかねない」と危惧する。

デビューからここまで6試合(44イニング)を投げ、自責点は7。リーグ2位の防御率1・43を記録し、我慢の投球で無傷の3勝を手にしているのは「アッパレ」と言うほかない。

直近3試合で最大の援護は2点。常に綱渡りのような厳しい展開での登板が続けば、いくら肝っ玉が据わった大物ルーキーでも精神的疲労は計り知れない。幸いにも緊急降板した理由は「左太もも裏のつり」で大事には至らなかったが、このままでは金の卵が報われない。

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