ヘンリー王子&メーガン妃のナイジェリア訪問 飛行機を無料提供したのは米指名手配犯だった

ナイジェリアを訪問したヘンリー王子とメーガン妃(ロイター)

ヘンリー王子とメーガン妃は5月10日から3日間、ナイジェリアをプライベート訪問した。ナイジェリアの王族や軍関係者と会談し、「まるでロイヤルツアー」との批判を浴びる中、ナイジェリア国内の移動は無料チャーター機だったことで、二酸化炭素を過剰排出したとして非難された。しかもそのチャーター機を無料提供したのは米指名手配犯だった。

ヘンリー王子夫妻は気候変動に反対する声を上げていることで知られる。しかし、ナイジェリアのアブジャからラゴスまでの往復1068キロを120席の無料チャーター機で移動した。約12トンの二酸化炭素が排出されたという。私的旅行だから一般機で一般客とともに飛行していれば、二酸化炭素排出を抑えられたと非難されている。

さらに英紙デーリー・メールによると、チャーター機を無料提供したナイジェリアの航空会社エア・ピースの創設者で最高経営責任者(CEO)のアレン・オニエマ氏は、米当局によって指名手配されている人物だったのだ。

オニエマ氏は2019年11月に米連邦政府に起訴された。起訴状では、オニエマ氏が地位を利用して、ナイジェリアから米国の銀行口座に2000万ドル(約31億円)以上を移動させたとして、マネーロンダリングと銀行詐欺の罪で起訴されているという。米当局からすると、ナイジェリアに逃亡している指名手配犯だ。オニエマ氏は無罪を主張している。

司法省の発表によると、10年から18年にかけて、外国からアトランタに拠点を置くオニエマ氏の口座に4490万ドル以上が送金されたとされる。米麻薬取締局アトランタ現場部門のロバート・マーフィー捜査官は「裕福な実業家としてのアレン・オニエマの地位は、詐欺によってつくられたことが判明した。オニエマは米国の銀行システムを腐敗させた」と話している。

オニエマ氏はナイジェリア国内で、民族調和財団、非暴力・平和開発国際センター、オールタイム・ピース・メディア・コミュニケーションズ・リミテッドなど、いくつかの組織の創設者兼会長だが、「詐欺の名目でしかなかった」と起訴状に記されている。

デーリー・メール紙によると、プライベート旅行なのに王室の地位を利用して〝ロイヤルツアー〟ぶったことにチャールズ国王は激怒しているといわれる。その上、犯罪収益のカネから提供された無料チャーター機で移動していたとなれば、国王がさらに怒ることは必至だろう。

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