【今週の今日の一冊】森へ。山へ。ワクワクの自然体験に出かけよう! キャンプの絵本大特集

【今週の今日の一冊】森へ。山へ。ワクワクの自然体験に出かけよう! キャンプの絵本大特集

新緑の美しい季節。キャンプに出かけるのもいい時期ですね。景色も空気も流れる時間も違う自然の中で、普段の生活ではなかなかできない体験ができるキャンプ。5月20日の「森林の日」にもちなんで、今週は、キャンプ気分が体験できる、キャンプの絵本特集をお届けします。これから体験する子や大人の方へ、またキャンプが大好き! という慣れた方も、絵本を広げて、森の空気とキャンプのワクワクを感じてみませんか。

2024年5月20日から5月26日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

5月20日 絵本の中の森へ出かけよう。今日は「森林の日」

月曜日は『くんちゃんのもりのキャンプ』

くんちゃんのもりのキャンプ

作・絵:ドロシー・マリノ
訳:間崎 ルリ子
出版社: ペンギン社

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ある夏の日、こぐまのくんちゃんは、いとこのアレックに誘われて二人でキャンプに出かけました。森を歩く道々くんちゃんは、こまどりの巣作り、アヒルの泳ぎ、かわせみの魚とりの場面に出会います。その後 キャンプをする湖のほとりに着き、くんちゃんは こまどりのように寝床を作り、アヒルのように泳ぎ、かわせみのように魚をとろうとしますが皆失敗ばかり。アレックに「くま式のやりかた」を教えてもらいます。キャンプのやり方では失敗ばかりでしたが、家への帰り道をちゃんと覚えていたのは、来る途中で鳥たちとあいさつを交わしていた、くんちゃんでした。

読者レビューより

くんちゃんの好奇心旺盛でなんにでも挑戦する行動がとても男らしいと思いました。従弟のアレックスと二人だけで森の中で一晩過ごした体験はきっとくんちゃんを一回りも二回りも大きく成長したと思いました。失敗もいっぱいしたけれど、先輩のアレックスはくんちゃんを温かく見守り、くんちゃんにくまらしいやり方を教えてる姿がとてもいいと思いました。くんちゃんは、かえり道を覚えていて、「帰りに また あおうね」と必ず約束を守ってるので感心しました。きっと私なら道に迷ってしまいそうな気がしまいした。最低限の荷物でキャンプした二人にとても感動しました。キャンプに行きたくなりました!
(押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば)

「こぐまのくんちゃん」シリーズ

5月21日 キャンプの前に読んでおきたい、最新キャンプ図鑑!

火曜日は『キャンプのずかん』(2024年4月新刊)

キャンプのずかん

作:スズキ サトル
監修:スズキ サトル
出版社: Gakken

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行ってみたい、やってみたいが止まらない!
子どもから大人までとっておきの思い出になる、初めて尽くしのキャンプへ出発しよう。

明日にでもキャンプへ行ってみたくなる、はじめてのキャンプずかんが登場!

●お子さんの興味が広がる!安心安全なキャンプのポイントも。
普段はできない非日常体験が詰まった、キャンプの魅力をぎゅっとまとめています。お子さんが自然・アウトドアに興味を持つきっかけにも!安全なキャンプのポイントもしっかりと押さえているので、これからキャンプへ行きたいと思っている方にもおすすめです。

●イラストだから親しみやすくて、わかりやすい!
かわいらしいイラストで、キャンプに馴染みのないお子さんでも親しみやすい!
シンプルな文章で、難しい言葉もわかりやすく説明しています。

●キャンプ好きの大人でも納得のボリューム!この1冊でキャンプが丸わかり!
イラスト・監修は、ブッシュクラフト・野営のアドバイザーとしても活躍するスズキサトルさん。アウトドアのプロが作る図鑑なので、まだキャンプへ行ったことがないという方からキャンプ好きの方まで満足できる、キャンプの基本をしっかりと押さえた内容です。

●おうちでの〈防災学習〉にも!
災害時に役立つキャンプ用品も紹介。いざというときすぐに実践できる、防災知識が初めてのキャンプへの一歩にも繋がります。

5月22日 ひとりでキャンプへ参加するなほちゃんの挑戦と成長

水曜日は『はじめてのキャンプ』

はじめてのキャンプ

作・絵:林 明子
出版社: 福音館書店

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小さい女の子、なほちゃんは何歳くらいでしょうか。なほちゃんの友達、お隣のともこおばさんのうちへ遊びに行くと、大きい子どもたちとキャンプのお話をしています。すると、なほちゃんは目をきゅっとつり上げて言うのです。

「わたしも いく!」

すると、大きい子たちは口々に言います。

「ちっちゃいこは だめ!」

ちっちゃい子は重い荷物を運べないし、すぐ泣くし、暗いところを怖がるから。そうだよね、なほちゃん。夜、ひとりでおしっこに行けるのかな?だけど、なほちゃんは言います。

「わたし、ひとりで おしっこにいける!」

そうして、みんなと一緒にキャンプに連れていってもらえることになったなほちゃん。重い荷物だって頑張って運ぶし、川で転んだって泣かないし、薪だって一生懸命探します。夜になると、楽しいキャンプファイヤー。そしていよいよ、寝る時間がきて…。なほちゃんは、約束通りちゃんとおしっこにひとりで行けたのかな?

小さいなほちゃんが大きな子に負けじと健気に頑張る姿。読んでいれば誰だって愛おしくなって、応援したくなるこのお話。強がっているなほちゃんですが、やっぱりまだまだ幼い女の子。本当は泣きたいし、怖いし、一人きりで出来ることもあんまりありません。でも、そんなことはみんなわかっているんですよね。大きな子たちも、ともこおばさんも。その上で、しっかりと見守り、さりげなく手助けしながら、なほちゃんに少しずつ自信をつけてあげているのです。

お話は少し長いのですが、全部のページに絵があって、言葉もシンプル。そして何より、なほちゃんの表情から心の動きがよく伝わってきて、なほちゃんと同じくらいの子どもたちでもきっと共感できるはずです。たった一日と一晩のお話ですが、林明子さんの手にかかればこんなにも心を捉まれる物語になってしまうのですね。もちろん、大人だって何度も胸がキュンとしちゃいますよ。

さて、なほちゃんにとっての「はじめてのキャンプ」がどうだったのか。それは裏表紙のなほちゃんの晴れやかで自信に満ちた表情を見ればわかりますよね。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

読者レビューより

1ケ月前に家族ではじめてキャンプに行きました。その時は、コテージを借りたのですが、この夏は本当にテントを張ってのキャンプを予定しています。そんなキャンプ初心者の我が家にぴったりの一冊でした!
厚い本なので、何日かにわけて読み聞かせしようとおもっていたのに、ストーリーに引き込まれて一気に読んでしまいました。子供たちは、次のキャンプで何のお手伝いをしようかと張り切っています。

林明子さんの真っ暗な夜の挿絵に浮かび上がる子供たちのシルエットや、効果的な光の表現のしかたなどもついつい見入ってしまいおすすめです。
(シュークリームーンさん 30代・ママ 女の子5歳、男の子3歳)

5月23日 ずっと憧れていたキャンプへ出発!

木曜日は『パパとタイガのとびっきりキャンプ!』

パパとタイガのとびっきりキャンプ!

作:セバスチャン・ブラウン
訳:聞かせ屋。けいたろう
出版社: 教育画劇

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今日はおやすみ、パパとお出かけの日。 あんまり荷物が多いから、どんなに遠くへ行くかと思ったら。

「ぼくらは、キャンプにいくのさ!」

やった! ぼくがずっと憧れていたキャンプ。テントを張って、火を起こして、外で料理して、カヌーにも乗るんだ! もう待ちきれないよ。

パパとタイガが到着したのは、大きなキャンプ場。はりきっていたパパだけれど、テントを張るのも四苦八苦。朝ごはんを作ろうとしても、火が起こせない。あれ、パパ大丈夫? とびっきりの楽しいキャンプになるんだよね……?

タイガの前でかっこつけちゃったり、失敗を繰り返しちゃったり。可愛い息子の願いをかなえてくれる優しいパパ、なんでも出来るスーパーなパパ! ……とはいかなかったみたいだけれど。それでも、やっぱりふたりのキャンプは最高。忘れられない思い出がたくさん出来て、タイガがうらやましくなっちゃうのです。

キャンプ場には、タイガ親子の他にもたくさんの家族が登場しています。何度も読みながら、色々なストーリーを発見していくのもまた楽しいですね。この愛らしくも魅力的な絵本の翻訳を手がけているのは、「聞かせ屋。けいたろう」さん。読む時間が「とびっきり」になることを約束してくれていますよ。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

読者レビューより

旅って、思い通りにならないこと多いですよね。
パパはタイガを楽しませようと頑張ってますが、慣れないキャンプに空回り。一生懸命なパパに共感できました。
なかなか、周りを頼りにすることも出来ない不器用なパパ。けれど大変なアクシデントに見舞われ、最後は「助けてください!」と言えました。
旅って思い通りに進むのがその時は一番嬉しいけど、焦ったアクシデントや思いがけない人との関わり合いの方が後に思い出に残ることもありますよね。
こんな旅だったけど、人との関わり合いって大切なこと、タイガと一緒にいい思い出がつくれてよかったです!うちの息子はパパの失敗がおかしくて、ケラケラ笑ってました(^^)
(なりおママさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子3歳)

5月24日 「ニャー、キャンプのあさごはん おいしそう」

金曜日は『ノラネコぐんだん ぺこぺこキャンプ』

ノラネコぐんだん ぺこぺこキャンプ

作:工藤 ノリコ
出版社: 白泉社

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仕事がお休みのワンワンちゃんたちは、キャンプ場へ。朝ごはんには美味しそうなホットケーキを焼いています。

「あ、はちみつを わすれたぞ。」

みつばちの店に買いに行くワンワンちゃん。きのこと野いちごを集めに行くマーミーちゃん。あらら、誰もいなくなったけど大丈夫?

「ニャー、おいしそう。ちょっと、ちょっとだけ……」

ほらほら、やってきたノラネコぐんだん。彼らが我慢なんてできる訳がありません。その頃、池の上でカエルくんと野いちごを食べていたマーミーちゃんが大変なことに。それを見たノラネコぐんだんは、一目散に助けに向かうのです。

大人気「ノラネコぐんだん」シリーズ11作目の舞台はキャンプ場。働きもののワンワンちゃん、初めての休日です。それなのに、やっぱり背後に忍び寄るのは、おなじみの黄色い影!? 彼らはいつもどおりの失敗をし、いつも通りの反省するのですが、いつもとちょっと違うのは、かなり勇敢だということと、かっこいい新キャラクターが登場するというところ。

ノラネコぐんだんの大冒険、いや大騒動? 今回も、期待を裏切らない驚きの展開と面白さ。怒られながら褒められる、ノラネコぐんだんたちの愛らしい姿をたっぷり堪能してくださいね。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

読者レビューより

ノラネコぐんだんシリーズのおはなしが大好きで、新刊が出るたびに追いかけて読んでいます。
今回は仕事がお休みのワンワンちゃんがキャンプに出掛けるシーンから始まります。もちろんそこにやってくるノラネコぐんだんたち。ホットケーキを勝手に全部食べてしまいます。
そんな時、とんでもないアクシデントが……。ノラネコたち、結構勇敢なので、やっぱり憎めません。
新しいキャラクターもお目見えしたので、また楽しみが増えました。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)

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5月25日 旅で出合うキャンピングカーには種類がいっぱい!

土曜日は『キャンピングカーのたび』

キャンピングカーのたび

作・絵:みねお みつ
出版社: 福音館書店

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海の向こうの星空がきれいなキャンプ場へ、主人公とお父さんは「のろのろごう」で出かけます。「のろのろごう」はちょっと小さなキャンピングカー。力がないのでスピードはでませんが、車の中でご飯を食べたり、泊まったりできるのです。キャブコンやバンコンなど、旅の途中で出合うキャンピングカーにはいろいろなタイプがあってびっくり。秘密基地? 隠れ家? 今人気のキャンピングカーに詳しくなれる、話題の絵本です。

読者レビューより

私と夫はキャンピングカーをいつか購入して一緒に旅するのが夢です。4歳息子はこの絵本で初めてキャンピングカーを知って、この車すごいね!!と驚いていました。車を走らせている時にたまたま隣車線にキャンピングカーがいたので、あれがそうだよー、と教えるとキラキラした目で見つめていました。
(ままmamaママさん 30代・ママ 女の子10歳、女の子6歳、男の子4歳、女の子1歳)

5月26日 カケスの住む森。ここは本当にいいところ…

日曜日は『ようこそ森へ』

ようこそ森へ

作:村上 康成
出版社: 徳間書店

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ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞 カケスの住む森にやってきた家族。テントを張ってたき火をおこし、星を見ながらごはんを食べるんだ。ここは本当にいいところ…。キャンプ生活の楽しみをカケスの視点から描いた画期的な作品。森のすがすがしさが伝わってきます。

読者レビューより

ある本で、この本の視点の面白さを説いたものをみました。
なるほど、そこには人の視界ではない世界が広がっていました。

この本の主人公は、「カケス」。
「カケス」がキャンプに訪れた一家の様子を追っていくストーリー。
いつもの村上さんらしい、やわらかなタッチの絵なのに
すごくリアルに森の中の雰囲気が伝わってきます。

木の上から、上空から、地面から見あげるように…。
視点を変えるだけで、これほどにも臨場感が出るんだな~と
感心しました。なんだか映画のシーンのよう。
生き生きとした森の情景を堪能できる絵本です。
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子5歳)

テーマ「キャンプの絵本」

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~ 掲載されている情報は公開当時のものです。 絵本ナビ編集部

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