買付傾向に変化も…【新NISA】でこれから何買う?今後買いやすくなる銘柄を紹介

先日、新たに日本証券業協会から新NISAの口座数や利用状況などが開示されました。4月8日配信の「みんな【新NISA】で何を買っている?成長投資枠の人気銘柄も予測」と合わせて読んで頂けるとわかりやすいと思います。

今回は2024年3月までの新NISAの状況が開示されました。証券会社10社(大手5社・ネット5社)の2024年3月末時点でのNISA口座数は、約1,456万口座となり、2023年3月末から2024年3月末 の1年間で約1.3倍となりました。月別の新規口座開設数は、1月73万件、2月53万件、3月44万件と減少しているものの、昨年同期比では依然として高水準となっています。

5月6日の日本経済新聞の独自調査では、大手10社のうち首位は楽天証券で、3月末時点で520万程度の口座を獲得し、SBI証券が約477万口座と2社が突出している事が判明しました。


新NISAの購入金額の推移

2024年1〜3月における累計買付額は、前年同期と比較して、成長投資枠とつみたて投資枠の合計で約2.9倍、成長投資枠で約2.9倍、 つみたて投資枠で約3.0倍となっています。時系列データを見ると成長投資枠での購入金額が1月が1兆6,765億円、2月が1兆2,819億円、3月が9,156億円となっています。3月は1兆円を割り込んでいます。つみたて投資枠は、1月が2,733億円、2月が2,618億円、3月が2,729億円とほぼ変わらずに推移しています。

証券会社10社での2024年1〜3月のNISA買付額のうち、83%は成長投資枠で買付けがされており、成長投資枠においては株式のほか、様々な投資信託の買付けが行われています。投資家がニーズに合わせて2つの枠を柔軟に活用している事がわかります。ここは前回とほぼ変わらない状況です。

新NISAの買付の傾向に変化

新NISAにおける買付の傾向に若干変化がありました。2月末時点では買付上位10銘柄のうち2銘柄あった銀行セクターが1銘柄となりました。新たに、機械と鉄鋼セクターから1銘柄がランクインしました。

逆に卸売、電気機器セクターがランク外となりました。銘柄は、機械セクターからは三菱重工(7011)鉄鋼セクター から日本製鐵(5401)と推測されます。

三菱重工は1株につき10株の割合で株式分割を行い、10万円台で株式が購入出来るようになった事が大きいように思います。日本製鐵(5401)は、配当利回りが4%台後半で高配当に着目された方が買い付けたように思います。昨今の決算発表時に株式分割や増配を購入する企業が増加中です。そうした中で、今後新NISAで買付が期待出来る企業を紹介します。

新NISAで買いやすくなる銘柄

まずは、通信のソフトバンク(9434)です。同社は4月25日に1株につき10株の割合で株式分割を発表しました。今年10月からは現在の価格から算出すると2万円弱で購入可能となります。同時に株主優待制度の新設も公表し、100株以上を1年以上保有する株主を対象に、PayPayポイントを1,000ポイント贈呈(保有期間については、初回分は25年3月31日から26年3月31日まで)するとしています。

昨年1株につき25株の割合で株式分割をしたNTTが現在新NISAで人気となっていますが、配当利回りなどソフトバンクに見劣りするため、同社に資金が流入する可能性があります。

日立(6501)も4月26日に1株につき5株の割合で株式分割を発表しました。同社は日本でいち早く、日立化成や日立建機など22社を数えた上場子会社を売却、完全子会社化しました。同時に新たな分野で成長を目指す体制を築き、「IT」「環境」「産業」という3部門に集約し着実に成果を出しています。4月には上場来高値を更新しました。

また、4月30日から来年3月31日まで上限2,000億円の自社株買いも公表しています。7月からは現在の価格から算出し、30万以下で購入可能となります。

ソフトバンクやNTTが株式分割をする理由として、若年層を含む新たに投資を始める方に、初めて投資する株式として選択してほしいとしています。今後も両社のように大型株式分割を実施し、購入金額を低くする企業も増加するように思います。

昨年東証が企業に促した、「資本コストや株価を意識した経営の実現」によって、株主還元を実施する企業が非常に増えている印象があります。株式市場の下支え要因となりそうです。

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