ファッション系Eバイクブランド「MATE.BIKE」 ブランドイメージ向上を行っている理由は?

デンマークのEバイクブランド「MATE.BIKE」の日本販売代理店であるMATE.BIKE JAPANは2024年4月19日、2024年モデルの紹介するプレスイベントを東京都内で開催した。

MATE.BIKEは2021年に日本国内に本格的に上陸。登場時は様々な一般メディアで注目される中、ウォークモードが装備(日本国内法で欧州仕様と同じ状態でウォークモードを装着すると違法)されており、踏力センサーがトルクセンサーではなくケイデンスセンサー(踏力を測定せず漕いだ時の回転数しか対応しないため、日本国内仕様にするには非常に困難)を搭載していたなど、登場時から様々な業界関係者内から問題視する声が多く聞かれていた。

また、ユーザーがスロットルを装着して違法車両にする事例も多く見られ、業界関係者だけでなく、ついには一部顧客から敬遠される事態となっており、MATE.BIKEのブランドイメージはだだ下がりとなっている。

この件に関して営業担当者と話すと、現行モデルは踏力を測定するトルクセンサーを装着しウォークモードは削除、アシスト比率については日本国内法に適合しており、型式認定は取得していないがアシスト比率検査は行っていると語っていた。今回のプレス向けイベントでも違法改造車に厳しい姿勢を取っているのをアピールしていた。

MATE.BIKEのブランドイメージをもっと向上させるには?

MATE.BIKE JAPAN内部の人員も初期と比較して8割ほど変わっており、車体も改善させているようだが、MATE.BIKEのブランドイメージはこれだけではスタートラインに立っただけと言える。

MATE.BIKEは「環境に配慮したサステナブルな次世代モビリティ」としてアピールしているが、どの部分が環境に配慮したサステナブルな次世代モビリティなのか具体的に解説していない。

現代では環境に配慮したサステナブルなEバイクだとアピールする場合、VOC無しの粉体塗装や焼き入れ処理が不要の特殊なアルミ素材を使用したフレーム、輸送距離を短縮する部品供給に拘ってこそ環境に配慮したサステナブルなEバイクと言える。実際、本当に拘っている企業は、このようなことは実際に行っている。

MATE.BIKEの場合は、このようなアピールを行っておらず、通常の油性/水性塗料に一般的なアルミフレーム、欧州での関税問題がある中国製と、業界関係者から見ると、環境に配慮したサステナブルなEバイクとは言えない。また、現行MATEシリーズ(X/CITY/FUSION)の車体も中国で類似品をよく見るタイプで、ブランドのアイデンティティは無い。

VOC無しの粉体塗装や焼き入れ処理が不要の特殊なアルミ素材を使用したフレーム、輸送距離を短縮する部品供給が可能なEモビリティ工場が日本に登場しており、もはや、環境に配慮したサステナブルなEバイクと謳うだけでは評価されない時代が来つつある。

MATE BIKEは前途多難だが、一つ希望があるとすれば、今回話をした営業担当者と話が通じたこと。実際の会話ではもっと詳細な事を話したが、担当者も理解していたので、良い方向に変わる可能性はあると感じた。

MATE BIKE:

© シクロライダー編集部