アルゲリッチ&クレーメル、心揺さぶる「デュオの世界」【大分県】 第24回別府アルゲリッチ音楽祭

息の合った演奏を披露するマルタ・アルゲリッチ(右)とギドン・クレーメル=19日午後、大分市高砂町のいいちこグランシアタ
聴衆の声援に笑顔で応えるマルタ・アルゲリッチ(右)とギドン・クレーメル

 第24回別府アルゲリッチ音楽祭「デュオの世界~一期一会 アルゲリッチ&クレーメル」が19日、大分市のいいちこグランシアタで開かれた。マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、ギドン・クレーメル(バイオリン)の共演が、同ホールのリニューアルオープンを飾った。

 幕開けはクレーメルの独奏。「戦禍のウクライナへささげる」と、同国出身のシルベストロフ「独奏バイオリンのための『セレナード』」、ジョージア出身のロボダが2014年のウクライナ紛争犠牲者にささげて書いた「独奏バイオリンのための『レクイエム』」を選曲。祈りを込めた演奏で聴衆を引きつけた。アルゲリッチは、シューマン「幻想小曲集Op.12―7『夢のもつれ』」、ラベル「水の戯れ」の2曲のソロで超絶技巧を披露した。

 デュオはバインベルク「バイオリン・ソナタ第5番op.53」とシューベルト「バイオリン・ソナタイ長調D574『グラン・デュオ』」。息の合ったやりとりで豊かに表現し、客席から熱い拍手が送られた。

 北九州市の内藤瑞紀さん(36)は長女の環さん(8)と鑑賞。「素晴らしい演奏に心を揺さぶられ、幸せな時間が過ごせた」と満足していた。

 アルゲリッチの大分での演奏は終了。22日に東京の公演に出演する。

© 有限会社大分合同新聞社