空き家増加 移住政策に力を【ハイ!こちら編集局】

 荒尾市で不動産業を営んでいます。同業者の集まりで話題になるのが、空き家の増加。地元を離れ、熊本県外で暮らす人から実家の建物や土地を処分したいとの相談がありますが、それに対し、不動産を購入したいという引き合いは極端に少なく、契約につながりません。近隣の大牟田市や長洲町も含めると空き家は5千棟に上るとも聞いています。

 新型コロナウイルス禍が一段落し、商売が活発化すると見込んでいたのですが、物価高で新築やリフォームの費用が高額化しており、取引は低調なまま。業界は危機的状況です。不動産処分の相談が多いのも、それだけ生活が逼迫[ひっぱく]しているからではないかと想像します。

 商業施設の出店や延伸中の有明海沿岸道路、競馬場跡地の再開発などで生活や通勤環境は向上し、海も里山も近く程よい自然が荒尾の魅力。行政には住宅取得や子育て支援など、移住希望者に選んでもらえる独自の政策を要望します。=荒尾市、会社役員・男、43

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