熊本市元職員がごみの「ただ捨て」 有料ごみ袋使わず、西区土木センター内の収集車に  

元職員が敷地内の収集車に家庭ごみを捨てていたことが分かった熊本市西区土木センター=15日、同市西区

 熊本市西区土木センターに勤めていた60代の男性元職員が今年4月、自宅のごみをセンター敷地内の収集車に捨てていたことが15日、分かった。市職員らによる家庭ごみの「ただ捨て」は2015年に発覚して以降、3度目。市は職員らに注意喚起してきたが、規範意識が浸透していない現状が明らかになった。

 関係者の話では、元職員が自宅のごみを持ち込んで収集車に投げ入れたのは4月13日午後。目撃したセンター職員が注意すると、ごみを放置したまま立ち去った。元職員は熊本日日新聞の取材に不正を認め、「ごみがたくさんあり、袋に入りきれなかったので持っていった」と話した。

 センターによると、当日は建物内で別の職員が業務に当たっていた。元職員は断りなく敷地内に入ってきたとみられる。弓削秀和所長は「市民はルールを守ってごみを捨てている。元職員であってもしてはならないことだ。事実確認をして、しかるべき対応をとりたい」としている。

 センターは平日の業務中、2カ所ある門を開放。市民が相談に訪れることもあり、自由に立ち入りできるという。業務終了後は門を施錠し、警備会社が警戒に当たっている。

元職員が収集車に捨てたごみ(提供写真)

 ごみの「ただ捨て」を巡っては、15年に市の東部、西部、北部のクリーンセンター職員計25人が有料のごみ袋を使わず、家庭ごみを職場の収集車に捨てていたことが発覚。所長ら16人が懲戒処分を受けた。

 17年にも、部下を通じて「ただ捨て」したとして東部クリーンセンターの管理職と作業を主導した職員がいずれも停職となった。

 市は15年に「ただ捨て」が発覚して以降、再発防止のために全庁的に注意喚起してきた。当時は元職員も在職中で、認識していたとみられる。

 市の家庭ごみ収集は燃やすごみの場合、指定袋(1枚4~35円)に入れて決められた場所に出さなければならない。焼却施設に持ち込む場合も重さに応じて有料となっている。(清水咲彩)

© 株式会社熊本日日新聞社