【青汁】血糖値、便秘、高血圧を改善… 夕食30分前に飲むと睡眠の質向上も

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【時間栄養学的「気になる食品」】青汁

青汁の人気が急上昇している背景には、健康や美容への期待があります。青汁は緑黄色野菜を絞ったもので、液体、粉末、サプリメントなどさまざまな形態があります。

1943年、医学博士の遠藤仁郎が戦中の食糧難で飢えをしのぐために、それまで捨てられていた葉を食べたところ、体の調子が良くなったことをきっかけに日本で初めて青汁を作られたそうです。ちなみに、名前の由来は遠藤博士の奥様。「青汁(あおしる)」と呼び始め、いつしかそれが世間に広まっていったそうです。

その後、さまざまな改良が行われ、1949年にケールが良質な素材として選ばれ、商品化されたことから青汁が普及していきました。当初は「青汁=不味い!」というイメージがありましたが、近年の青汁は以前のような強い苦味がなく、美味しさが格段に向上しています。

ケール以外にもさまざまな素材が使われていて、大麦若葉、明日葉が挙げられます。ケールはビタミンやミネラルを含んでいますし、大麦若葉は食物繊維や鉄分も豊富なため貧血予防が期待できます。明日葉も食物繊維、抗酸化作用の強いβカロテンとカルコンに加え、ビタミンB12も多く含まれています。これらは美肌効果や便秘改善、高血圧予防などさまざまな効果が期待されます。

その他にもたくさんの研究がなされており、閉経後の女性の骨量減少を抑える可能性が確認されたり、体の酸化や老化・病気の原因といわれる活性酸素を除去してくれるほか、食後血糖値の上昇抑制効果や糖尿病予防の可能性もあります。また、アレルギー症状改善効果、膝関節痛の緩和、二日酔いの予防、うつ病、不眠症、過食症などの脳関連疾患の改善まで、その健康効果の期待は計り知れないと言えるでしょう。

野菜ジュースは、食前30分前程度に飲むことで血糖値の上昇を抑えることもできるとわかっているので、特に血糖値の上がりやすい夕食の前に青汁を飲むことで睡眠の質向上に役立つかもしれません。食欲を抑えられる効果もあるので昼食から夕食までの間が長い場合にもゆっくりと飲んでみるのも良いですね。

青汁のみで1日に必要な野菜をすべて補えるわけではないですが、野菜を摂る習慣がない方は毎日飲むことから習慣化していくことをおすすめします!

(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授・早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員)

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