「譲り合って失点してしまうのだけは避けたかった」上島拓巳が競り合いで渡邊泰基と衝突した場面を説明【横浜】

[J1第15節]FC東京 1-1 横浜/5月19日/味の素スタジアム

5月19日に開催されたJ1第15節で、横浜F・マリノスはFC東京と敵地で対戦し、1-1で引き分けた。

序盤からボールを保持した横浜は、25分にナム・テヒのゴールで先制に成功。試合を優勢に進めていたなか、32分に思いも寄らないアクシデントが起こった。

渡辺皓太が最終ラインに戻した浮き球のパスが少しずれ、CBの上島拓巳と渡邊泰基の間に落ちる。その時、FC東京の松木玖生がボールを拾うべく、猛スピードで追いかけてきたこともあるだろうが、先に触ろうとした上島と渡邊が味方同士で競り合い、衝突してしまったのだ。

ファン・サポーターも心配そうに見つめるなか、頭部を裂傷した上島はベンチで治療し、ピッチに戻った。しかし、その場から動けなかった渡邊はタンカーに乗せられてロッカールームに運ばれ、山根陸と交代となった。

【動画】ナム・テヒの先制弾
試合後、上島がその時の状況を説明した。

「ちょうど僕と渡邊選手の間にボールが落ちて、本当に微妙なところで(競り合うまでの)時間もなくて、お互いが譲り合って失点に繋がってしまうのだけは避けたかった。たぶん渡邊選手もそういう気持ちだったから、お互いボールを触りにいく決断をしたと思う」

また、渡邊への想いも明かした。

「悲しいアクシデントというか、僕は傷程度で済みましたけど、渡邊選手はかなり酷い感じだったので、彼のためにも自分がピッチに立って、やらないといけないって思いました」

横浜は55分に同点に追いつかれ、試合はドローに終わったなか、上島は空中戦では頭部の傷を感じさせないヘディングで何度もボールを跳ね返し、対人守備でも強さを発揮。気持ちの入ったプレーを見せていた。

一方の渡邊は脳震盪とのことだが、大事に至らないことを祈るばかりだ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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