緩和ケア病棟に花贈り3年 グッジョブ妙光園(青森県)の利用者、八戸市民病院を初訪問

グッジョブ妙光園の利用者が育てた花に彩られた八戸市立市民病院の緩和ケア病棟の中庭

 障害者就労支援を展開する多機能型事業所「グッジョブ妙光園」(青森県八戸市)は2021年春から、利用者が育てた花を八戸市立市民病院の緩和ケア病棟に贈っている。コロナ禍で病棟に入る機会がなかったが、感染状況が落ち着いたことから、利用者らがこのほど初めて同病棟を訪問。自ら育てた花々に彩られた中庭を見学し、笑顔を見せていた。

 同事業所では利用者が種から花を育てており、医療機関などに贈ってきた。市民病院の緩和ケア病棟への贈答を始めたのは、母親が入院していた「八戸市手をつなぐ育成会」の川村暁子会長からの依頼がきっかけ。川村会長は「殺風景な中庭を少しでも花でにぎやかにしたい」と感じ、同事業所に花の提供を働きかけた。

 花を提供し始めた時期はコロナ禍真っただ中。年2回ほど季節に合わせた花を贈ってきたが、感染リスクを考慮し、事業所利用者が入れるのは病院の入り口までで、同病棟の内部に直接入ることはできなかった。

 提供開始から3年。事業所利用者の沼畑初枝さん(33)と山内明音さん(26)、職業指導員の佐々木薫さん(48)の3人が同病棟を訪れた。中庭にはプランターに植えられたオレンジや青、黄色などのパンジーやビオラ。沼畑さんは「きれいに咲いていてうれしい」、山内さんは「この花を見て患者さんに元気に過ごしてほしい」と喜んでいた。

 同病棟の岩村千春看護師長は「中庭には患者さんがベッドのまま入ることができ、日頃散歩したりしている。花があるのとないのとでは、雰囲気も全然違う。いただいた花を見て、みんな楽しい時間を過ごせている」と語った。

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