若者や外国人らに日本の伝統文化を気軽に楽しんでもらおうと、長崎県雲仙市小浜町の茶道家で着付け師、本多ミドリさんが16日、抹茶をたてる体験の場「金澤庵」と、茶道や着付けの教室「翠美苑(すいびえん)」を同町にオープンした。養蚕小屋などをおしゃれに改修し、90歳で新規事業に乗り出した。
本多さんは県美容業生活衛生同業組合の理事長を11年務め、旭日双光章を受章。日本文化使節団の着付け師として米国での着物ショーにも携わった。茶名は「本多宗翠(そうすい)」。茶道裏千家の指導者でもある。
金澤庵と翠美苑はどちらも本多さんの夫の祖父の実家、金澤家の敷地内にあり、庭と合わせて計約1500平方メートル。場所は小浜温泉街から雲仙岳に登る国道57号線のびん串バス停付近。緑が豊かで、眼下に橘湾を望む。
養蚕小屋を改修した金澤庵は、1階が茶をたてて楽しむ体験コーナー。体験料金は菓子付きで千円。2階は明治から昭和初期の電話機などレトロ家電や雑貨を展示する。
翠美苑は金澤家の母屋で木造1階建て。本多さんが茶道や着付けを教える。和室、洋室があり椅子席でもお点前が楽しめる。着物や帯のレンタルもある。
金澤庵は午前11時から午後4時営業、不定休。翠美苑は予約時だけ開ける。駐車場4台。問い合わせは本多さん(電090.7450.0214)。