アスレチックス守護神にトレードの噂? 今季大ブレイクの若き剛腕

日本時間5月20日、アスレチックスのメイソン・ミラーのトレードについて各球団が問い合わせていることを『MLB.com』が伝えた。25歳のミラーはブルペンに転向した今季、15登板8セーブ防御率0.95の好投。年俸調停権を得るのは2026年、FAとなるのも2030年のことと、去就に関する話題が出るのは時期尚早かもしれないが、早くもトレードの噂が出ている。

ミラーの好投は歴史的水準に達している。平均約162キロの4シームを武器に、三振率は56.2%。つまり、対戦した打者の半分以上を三振に打ち取っており、直近の46打者との対戦では30人から三振を奪っている。総合指標fWARはリリーフ投手ダントツの1.3を記録し、運の要素を可能な限り排除した疑似防御率FIPはマイナスに突入している(-0.18)。現時点で最も支配的なリリーフ投手と言っても過言ではない活躍を、ミラーは見せている。

アスレチックスは今季、一時勝率5割に達する健闘を見せていたが、直近では9連敗を喫して最下位に近づいている。とはいえ、頭角を現す若手選手も増えており、再建脱出の目は見えてきている。ましてやミラーはその筆頭だ。アスレチックスが何が何でもミラーを放出しないという頑なな姿勢ではないだけで、トレードの可能性は理論上低いだろう。さらにミラーのブルペン転向はあくまで一時的な措置に過ぎない点も留意すべきだ。アスレチックスは先発投手としても十分に通用する兆しを示していたミラーを、故障防止の観点から今季はブルペン起用している。

では、ミラーがトレードされるとしたら、どのようなシナリオになるだろうか。ミラーのトレードの噂に関する大本である『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタールは「ミラーを獲得するには、チームは同等の能力を持つ若手選手、あるいはアスレチックスの将来を担う可能性のある複数の若手選手を手放す必要があるだろう」と報じている。当然、アスレチックスが満足するような対価であることは前提だ。そして、実際トレードされるとしたら、アスレチックスがミラーの故障リスクを取った結果になる可能性が高いだろう。今季メジャー最多132球もの160キロ超えのボールを投じているミラーは、故障のリスクも高い。事実、昨年は右肘靭帯に怪我を負っている。残り保有期間の5年半は、トミー・ジョン手術を受けるとなれば1年半縮む可能性もある。

『ブリーチャー・レポート』はミラーのトレード先候補として、ドジャース、フィリーズ、ヤンキース、オリオールズ、カブスらの名前を挙げている。

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