【小説の書き方】作家「額賀澪」さんが解説! 初心者でも最後まで書き上げるノウハウ

By シンクロナス編集部

 

「小説を書いてみたいけど、何から手をつければいいのかさっぱりわからない」そんなお悩みはありませんか?

書きたいことが漠然とあったり、突然すごいストーリーを思いついたりしたときには、とにかく書いてみたくなるものです。しかし実際には、いざ書こうと思っても、小説家でないかぎり何から始めればいいのかわかりませんよね。

また、たとえ書き始めたとしてもひとつの作品を完成させるのは難しく、途中で挫折してしまうことも多々あります。

そんなときに、小説の書き方さえマスターすれば、最後まで小説を書き上げることが可能です。

この記事では、小説家の額賀澪さんによる動画講座に沿った内容で、小説の書き方と書き上げる方法を紹介します。小説を書き上げることにチャレンジしたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

【小説の書き方】初心者でも書き上げるコツ

小説を書きたいときに重要なことは、「書きたい」と思った気持ちを大事にすることです。小説を書き上げるには、思いつきで始めてもうまくいきません。書きたい思いを大切にしつつ、まずは書く準備から始めていきましょう。

小説の書き方がわからない

小説を書いてみたいと思っても、いざ書こうとすると、たいていの人は次のような壁にぶつかります。

  • 書き方がわからない
  • 何を書けばいいのかわからない

「とにかく書いてしまおう!」とすぐに書き始める人もいますが、小説を書くには準備が必要です。

勢いだけで書き始めてしまうと、たいていはどこかで行き詰まってしまいます。その結果、小説を最後まで書き上げられないことに……。

書きかけの小説ばかりがたまってしまう現象はありがちですよね。

小説は、書き始めることよりも、終わらせることのほうが大切です。未完の作品が100個あるよりも、どんなにひどい終わり方でもいいので、ちゃんと完成した1本のほうが、何倍もその人の成長になります。

今度こそしっかりと準備をして、書き上げることをめざしましょう。

抽象的なテーマでなく具体的なものがおすすめ

話を作る際には、抽象的なところから物語を作るのではなく、なるべく具体的なものから考えていきます。0から1の作品を作ろうとするときに、抽象的なものから入るのでは難しさがあるからです。

そして、小説初心者によくあるのは、テーマから入って物語を作ろうとすること。テーマはどうしても抽象的になりがちなので、より具体的なものから話を作るようにしましょう。

▼関連記事【小説の書き方】「小説を書きたい!」と思ったら、最初に考えるべき「物語のタネ」とは?

【プロットの作り方】小説を書くには何から始める?

「小説を書こう!」と思ったら、まずはプロットを作成します。

小説を書きたいと思ったことがある人なら、一度は「プロット」という言葉を目にしたことがあるはずです。でも実際には、プロットなんてよくわからないという人もいるのではないでしょうか。

ここではプロットについて紹介します。

プロットとは?

プロットとは、小説の設計図のようなものです。小説を書き始める前には、具体的な企画を立てて、それを「プロット」という設計図で練る作業をおこないます。プロットを作ることで、小説をしっかりと形にしていくためのアシストができるのです。

プロットを作る際には、企画のタネを作るための、具体化の作業をしましょう。

プロットを作るコツ

プロットの書き方には、これといった決まりがあるわけではありません。プロの作家でも、プロットの作り方は十人十色です。

プロットを作る方法としては、自分の中にある引き出しからタネになりそうなものをまずは出してみるのがおすすめ。この際、自分が好きなものであれば、他の人よりも精通しているはずですよね。好きなことなら具体化もしやすく、そこから広げる作業もやりやすいでしょう。

自分の好きから始めれば、より魅力的な物語となるのでおすすめです。

プロットを作る大事な要素

プロットを作成する際には、心がけておきたいことがあります。

  • 視点が大事
  • 説明ではなく実感させること
  • 実感にともなって主人公を作る
  • 「心情と出来事」のふたつのイベントを意識する

これらを心にとめながら作成していきます。

そしてプロットには、以下4つの要素をしっかりと書き出しましょう。

  • タイトル
  • あらすじ
  • 登場人物
  • ストーリーの展開

プロットを作成していくことで、物語ができてきたり、小説の方向性が決まってきたりします。プロットを練ることは、これから小説を書くうえで大切な作業になるので、時間をかけてじっくりと考えましょう。そして執筆する際には、プロットをつねに頭の中へとどめておくことが大事です。

プロット作りのトレーニングにおすすめの方法は、すでにある1冊の本からプロットを作成してみることです。ぜひ、チャレンジしてみてください。

▼関連記事【小説の書き方1】多くの作家が設計図=「プロット」にこそ時間をかける理由

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小説を書く基本は【物語の構成】

プロットができたら、いよいよ小説を書いていきます。ここからは、小説を書く際の基本的なことがらについて紹介しましょう。

小説に必要なのは「読者の視点」

小説を書く際に必要なことは「読者の視点」です。

小説を書くときには、自分目線ではなく、読者の視点からものを考えることが基本となります。なぜならば、小説は文字だけで物語を読者に見せないといけないからです。そのために小説家は、読者が今何を想像しながら読んでいるかを考えながら執筆します。

「読者は自分ではありません」これをしっかりと理解しておく必要があるのです。

説明ではなく、物語を実感させる方法

小説は、説明するのではなく物語を実感させなければなりません

状況を伝えるのに、「どこに何がどうあります」と書くのは説明です。説明することはラクな手法ですが、説明では読者が物語を実感できません。

そして、実感させるにはエピソードが必要になります。そのため小説を書く際には、説明をエピソードへ落とし込む作業をするのです。読者に伝えるべき要素に優先順位をつけて、それをエピソードとして伝えます。

このようにして、物語は説明ではなくエピソードとして実感させましょう

小説にかかせない主人公の作り方

主人公は、物語のナビゲーターとしての大事な役割をします。小説は主人公を中心に話が進んでいくため、小説に主人公はかかせない存在です。

読者を物語に引き込むための、魅力的な主人公の作り方を紹介します。

  • 主人公にはナビゲーターの役割をもたせる
  • プロットの段階で主人公を作り込む
  • 具体的な事件を作中でおこす など

自分が小説内で描きたい大切な主人公が魅力的なものとなるよう、丁寧に作り込んでいきましょう。

▼関連記事【小説の書き方4】一人称?主人公視点?多くの人が意外と知らない「人称」と「視点」の関係

▼関連記事【小説の書き方6】最初から強い主人公は共感できない? 物語を面白くする2つの「変化」

【小説の書き方の基本】リテラリーライティング技法(描写編)

ここからは、実際に文章を書くライティングの方法について紹介します。いよいよ実際に執筆する作業です。

文章の苦手なことと得意なこと

書き始める前に、まずは、文章が苦手なことと得意なことを確認しておきましょう。

文章は、空間や風景をそのまま見せることが苦手です。動画や画像などであれば、視覚から一見してそれは伝わりますが、文章の場合は、読み手に読みとってもらわないといけません。

いっぽう文章が得意なことは、読んでいる人の想像力を刺激して、読者のイメージをふくらませること

読者の想像力をかきたてるために大事なのは、「描写」のテクニックです。そのため、小説を書く際には、描写を工夫する必要があります。

魅力的な描写のために

小説には、描写が大切なため、ここでは文章で魅力的な描写をするおすすめの方法を紹介します。

自分が寝起きしている部屋を、文章で忠実にスケッチしてみましょう。最初は説明文のような文章になっているかもしれません。それを、魅力的な描写となるようにブラッシュアップしていきます

描写のテクニック

ここからは、描写のテクニックを紹介します。

描写をする際のポイントとしては、「物体そのものを忠実に書かなくていい」ということです。物体が存在することによって、そこから何が発生するかを考えると描写のヒントがたくさん出てきます。

▼関連記事【小説の書き方7】写真や映像にはない、文章で表現することの難しさと面白さ

【上手くなるには】リテラリーライティング技法(情報コントロール編)

小説の書き方の基本的なことがわかったら、次はさらにじょうずな書き方をマスターします。

読者目線で書く

小説は読者目線で書くことが大事です。小説を読むのは自分以外の人なので、読んでくれる人に文章で伝えなければなりません。自分しかわからない文章では、読者には響かないので、つねに読者目線で書くことを意識しましょう。

文章の中で情報整理して絵を作る

小説では、情報を整理して読者に届け、読者の中に絵を作らなければなりません。読者は、文章から情報を読み取り、絵を頭の中に思い描きます。そのため、情報を開示する順番に注意して届けなければならないのです。

情報をコントロールする

小説を書く際には、じょうずに情報をコントロールしなければなりません。必要な情報をわかりやすく提示することで、読者を混乱させたりストレスを与えたりしなくなります。読者に情報の整理をさせてはいけないのです。

今ある文章に一言付け加えるだけで、情報がわかりやすく伝わることもあります。読者がここで何を思い浮かべるのかを、考えながら執筆しましょう。

▼関連記事【小説の書き方10】小説も文章を使ったコミュニケーション。読者に伝わる作品を書くには?

小説を執筆するための【基礎知識】

ここまでで、おおよその小説の書き方がわかったと思います。ここからは、実際に小説を書く際の基礎知識を紹介します。

原稿体裁(レイアウト)の整え方

小説を書く際には、原稿のレイアウトを整える必要があります。原稿は、Wordなどの文章作成ツールを使用して書きますが、この際にレイアウトが統一されていないと、小説が読みにくくなります。原稿用紙の使い方は、学校で習ったはずです。

  • 文章の頭は1文字下げる
  • 文章の終わりには「。」をうつ など

これらは基本中の基本ですが、小説を書く際にはさらに気をつけるべき点があります。それらに注意して、原稿の体裁を整えていきましょう。

取材や調査の方法

小説を書く際には、取材や調査が必要になることも多々あります。小説に、よりリアリティをもたせるために、自分の知識や経験だけでは書けないこともあるからです。そんなときには、取材をしたり資料を読み込んだりすることが欠かせない作業となります。

  • 資料を読み込む
  • 取材をする

資料は、論文や専門の書籍などを読みますが、ここで注意したいのが、あまり難しい資料から読み始めないこと。最初は、簡単な資料から読んでいくのがおすすめです。簡単な資料がクリアできたら、次にもう一段階難しい資料を読み込むのがいいでしょう。

新人賞に応募する

小説が書き上がったら、いよいよ新人賞に応募をします。

新人賞とは、おもに出版社が開催している賞で、基本的にはまだ作家デビューをしていない人が応募できる賞のこと。目的は、新人発掘のためにあります。 応募者の中から、これは本を出すに値すると選ばれた人の本を出版することになるのです。そのため、作家になるための登竜門のひとつといえます。

作家デビューを狙っている人にとっては、新人賞への応募はおすすめの選択肢です。小説が書き上がったら、ぜひ新人賞へ応募してみましょう。

▼関連記事【小説の書き方16】新人賞からデビューできるのはどんな人?「基本」が大事になる理由

小説を書き上げるおすすめの講座|『拝啓、小説を書いてみませんか』

小説を書き上げるのは、ノウハウにあわせて根気も必要です。ひとりで進めていると、行き詰まったり途中で挫折したりもあるでしょう。

シンクロナスの『拝啓、小説を書いてみませんか』では、小説家額賀澪さんのわかりやすい解説の動画コンテンツにより、小説を書く方法が体系的に習得できます。

要所要所で課題もあるため、リアルに手を動かして、実際に小説を書き上げられるのが大きな魅力です。月額1,100円(税込み)で、しっかりと学べて小説を書き上げられます。

「ひとりではどうしたらいいのかわからない」
「何度も途中で挫折してしまった……」

そんな方は『拝啓、小説を書いてみませんか』で、今度こそ小説を書き上げてみましょう! 小説をひとつ書き上げると、きっとまた新たな世界が見えてくるはずです。

\『拝啓、小説を書いてみませんか』講座はこちらからお申込いただけます/

「書き上げる力」が身につく小説の書き方 第0回 オリエンテーション

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