午前の日経平均は反発、3万9000円回復で上昇に弾み

[東京 20日 ロイター] -

前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比559円54銭高の3万9346円92銭と、反発して取引を終えた。朝方の日経平均は軟調に推移したが、心理的節目の3万9000円を4月15日以来、約1カ月ぶりに回復した後は上値が軽くなった。東京株式市場では幅広い業種で買いが先行し、日経平均・東証株価指数(TOPIX)ともに1%を超える上昇となった。

日経平均は25円安と小幅に続落してスタート。その後間もなくプラス圏に浮上し、一時649円高の3万9437円16銭で高値を付けた。明確な材料はないものの、市場では米株先物がプラス圏を推移したことを受けた米株の先高観のほか、日経平均の心理的節目回復を受けたテクニカル要因を指摘する声があった。日経平均は上昇一服後はもみ合った。

TOPIXは1.21%高の2778.89ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆0661億8400万円だった。東証33業種業種では、石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業、鉄鋼、化学工業など31業種が値上がり。値下がりは海運、その他製品の2業種だけだった。

主力株では、ファーストリテイリングのほか、信越化学工業、東京エレクトロン、TDKが上昇し、2銘柄で日経平均を約191円押し上げた。住友金属鉱山、ソシオネクスト、三菱マテリアルは7─8%高と大幅高だった。半面、エーザイはさえなかった。

そのほか、C&Fロジホールディングスが急伸し、ストップ高水準の4500円に上昇した。佐川急便を傘下に持つSGホールディングスが買収に乗り出すことがわかったと一部で報じられ、手掛かりになった。SGHDは1.42%安。

大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「決算発表は一巡したものの、企業によっては新たな自社株買いの発表やアナリスト向けの補足説明を行っており、まだまだ個別材料が出てくる可能性がある」と指摘。米エヌビディアの決算発表を22日に控えているため明確な方向性が出づらい半面、個別材料を手掛かりとした物色はこれからも続きやすいという。

プライム市場の騰落数は、値上がり1319銘柄(79%)に対し、値下がりが291銘柄(17%)、変わらずが39銘柄(2%)だった。

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