【ガーデニング】手間なしで楽しめる多年草 リーフプランツで初夏の庭をナチュラルに!

バラやクレマチスの咲く華やかなシーズンもまもなく終わりを迎ます。梅雨に向かって庭をどうしたらよいでしょう。厳しい暑さに備え最小限のお手入れで、目に涼やかな庭やベランダを実現するために、強力な助っ人リーフプランツを紹介します!

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手間をかけずに庭を見映えよくするリーフプランツとは

リーフプランツとは、花よりも葉の観賞価値が高い植物。西洋のレンガ壁を伝うアイビー(ヘデラ)などが知られます。あまり馴染みがないかもしれませんが、バラエティーに富んだ種類があり、近年は都市緑化でも注目されています。

さまざまな色や形の葉っぱは、花にも負けない美しさで庭やベランダのアクセントに! 緑一色の葉っぱでも、風にそよぐ葉群は爽やかで涼やかな印象を与えます。厳しい暑さのなかで咲く花が少しでも、きれいな葉っぱがあれば見映えがグンとアップします。

リーフプランツの多くは丈夫な多年草なので、一度植えたら手間いらずで何年も育てられます。環境が合えば株が大きくなり、株分けでふやすことも可能。常緑の種類は冬枯れた庭にも彩りを添え、冬に枯れる種類は秋に「草モミジ」と呼ばれる紅葉が楽しめたり……。

じつは魅力いっぱいで使い勝手がよく、プロのガーデナーが重宝しているリーフプランツを試してみませんか。

夏に向かっておすすめのリーフプランツ8選

コレクションしたくなる多彩な品種【ホスタ(ギボウシ)】

落葉性
草丈:20~120㎝

日本をはじめ東アジアに分布する原種から、ブルーやイエローを帯びる葉色や斑入りなど、バラエティーに富んだ園芸品種が誕生。手間いらずで美しい葉群にまとまり、これだけで見ごたえがありますが、ほかの花々ともよく合います。7~8月に藤色や白の花を咲かせます。

明るい葉色のグラウンドカバーに【リシマキア・ヌンムラリア】

常緑性
草丈:約5㎝、株張り約50㎝

明るいライム色の葉を密につけながら、四方に広がるリーフプランツ。黄金葉の園芸品種‘オーレア’もあります。地面を覆うグラウンドカバーとして重宝で、雑草が生えにくくなります。冬は葉色がくすみますが、春にはまたみずみずしい茎葉を伸長。分厚い重なりになったら間引きます。黄色の小花を4~6月に開花。

庭に動きと立体感をもたらす剣葉【ニューサイラン(フォルミウム)】

常緑性
草丈:60~200㎝

ニュージーランド原産で、現地では葉から繊維をとったり織物などに利用する作物です。赤や黄色を帯びたりブロンズなどの美しい葉色や斑入りの園芸品種が豊富。株元から扇状にすらりと剣葉を伸ばし、庭に立体感をもたらします。夏に咲かせる花もふくめて迫力です。

日陰でもOK 爽やかで趣きある【斑入りアマドコロ】

落葉性
草丈:20~60㎝

日本などの東アジアに自生するナルコユリ(アマドコロ)の園芸品種。弓状にしなる茎に白い縁取り(覆輪)のある葉がつき、爽やかな雰囲気です。日なたから日陰まで育ち、地下茎が広がって群生すると見事。鉢植えでは小型になります。4~5月に白い花を吊り下げます。

鮮やかなカラーバリエーションが楽しい【ヒューケラ】

常緑性
草丈:20~60㎝

赤や黄色、ライムやブロンズなどの鮮やかな葉色が目を引きます。ヒューケラだけで寄せ植えしても華やかです。日陰でも育ち、寒さにも強くて手間いらず。こんもり育つ品種はグラウンドカバーにも向きます。茎が立ち上がって草姿が乱れたら、上部を切って茎ざしに。

風に揺れるさまが涼やかな雰囲気【フウチソウ】

落葉性
草丈:20~50㎝

日本の野山に自生する固有種で、連続テレビ小説で知られる牧野富太郎博士が命名。葉のつけ根がねじれて葉裏が表に出るため、和名はウラハグサ。黄色い斑入りの園芸品種がよく出まわります。夏後に穂を出して秋には黄色から茶色に色づいて枯れ、春に芽を出します。

日陰を爽やかに飾るグラウンドカバー【ラミウム】

常緑性
草丈:10~30㎝

日本原産のホトケノザやオドリコソウの仲間です。紫色の花を咲かせるラミウム・マクラツムや黄色の花を咲かせるラミウム・ガレオブドロンの園芸品種が出回ります。蒸し暑さをやや苦手にしますが、日陰でもよく育ちグラウンドカバーに好適。花は5~6月に咲きます。

ラミウム・マクラツム
ラミウム・ガレオブドロン

見直したい手間なしリーフの筆頭!【ヤブラン(リリオペ)】

常緑性
草丈:20~40㎝

日本の林床に自生する多年草。丈夫で病害虫の心配もなく、日なたから日陰まで適応して、年間通して美しい草姿を保ちます。地味ではありますが、厳しい暑さのあとに咲く紫色の花はホッとする存在で、秋には黒い実も楽しめます。斑入りの品種で涼しげに。

暑さの前に植えつけ、冬に地上部がなくても大丈夫!

これらのリーフプランツは苗で出回ります。本格的な暑さの前に早めに植えることで根が育って大きな株に。リシマキアやラミウムをグラウンドカバーとして利用するときは、茎を伸ばしたい方向に導き、先端近くをUピンで地表にとめると、節から根が出て活着します。

鉢植えは表土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりしてください。庭では植えつけ直後やよほど乾燥が続いたときをのぞいて、水やりの必要はありません。肥料などもとくに施さなくて大丈夫! ほんとに手間なしプランツなのです。

落葉性のリーフは冬に地上部が消えますが、春には新芽が出るので大丈夫。2~3年育てて株が混みあってきたら掘り上げ、根を分割して株分けします。暑さがひと段落した秋がおすすめです。
リーフプランツを取り入れて、花が少なくても庭やベランダをナチュラルな雰囲気で楽しみましょう。

※2023年5月24日に配信した記事を再編集しています。


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