同居中の姑に嫌みを言わせない方法はありますか? 坂東眞理子さんのすっきり人生相談

仕事、健康、人間関係、親の介護、老後のお金……50代からの人生には不安や迷いがいっぱい。そんな私たちに「ウィメン・ビー・アンビシャス。自分で自分の人生に責任と覚悟をもって生きていこう」とエールを送ってくれる坂東眞理子さんが、皆さんのお悩みを解決します。

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©️廣江雅美

プロフィール
坂東眞理子
ばんどう・まりこ●1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。埼玉県副知事、オーストラリア・ブリスベン総領事、内閣府初代男女共同参画局長などを務め、退官。現在、昭和女子大学総長。『女性の品格』『70歳のたしなみ』『幸せな人生のつくり方』など著書多数。

相談 ①
同居中の姑に嫌け

姑と同居しており、夫は単身赴任中。わが家は中学生から大学生まで息子が3人いて、私も看護師として働いているので、普段は目が回る忙しさです。姑は、孫の成績や態度が気に入らないといつも、「あんたの育て方が悪かった」と私に嫌みを言います。姑に嫌みを言わせない方法はありますか? 夫に愚痴っても母親を注意するでもなし、聞く耳もたずです。(51歳・契約社員)

義母に、夫のもとへ行ってもらっては? 働き続けて義母と過ごす時間を減らして

夫にではなく義母に提案してみて

最近のお姑さんはお嫁さんに遠慮している人が多い印象ですが、今どき珍しい昔気質のお姑さんなのですね。そして、今は同居してくれるお嫁さんなんてほとんどいませんから、相談者はとてもやさしい方なのだと思います。感謝されこそすれ、嫌みを言われる筋合いはないはずです。

また、自分の親と同居してくれている妻の愚痴を、柳に風でやり過ごしている夫に怒りがわくのも当然です。でも現実として、姑に嫌みを言わせない方法はありません。離婚するだけの覚悟がないのであれば、「また言っているな」と聞き流すのが一番です。

それができないなら実力行使です。お姑さんに夫の単身赴任先に行ってもらうのです。夫に提案すると嫌がられるでしょうから、お姑さんに「夫の健康が心配なので、あちらで世話してやってもらえませんか?」と言って説得する。お姑さんも自分の息子の世話なら張り切ってなさるかも。

三男が大学生になれば、逆単身赴任で相談者が家を出るという手も。そう考えれば、あと数年の我慢。姑と一緒にいる時間をできるだけ減らすためにも、働き続けて乗り切ってください。

相談②
ペットロスが心配

柴犬(10歳)を飼っていて、溺愛しています! 夫婦の会話も犬のことばかり。亡くなったらペットロスになりそうです。10年後、75歳になったときに備えて、犬以外に愛情を注げるものを見つけておきたいのですが、どうすればいいですか? ちなみにわが家には子どもがいないので、孫かわいがりもできません。(65歳・パートタイム)

あなたの愛情を必要としている「人」がいないかまわりを見渡してみて

自分の資源を分散させるという視点をもって

大切なペットを失う悲しみは大きなものです。わが家も4年ほど前、22歳まで長生きした愛猫を亡くし、私よりも溺愛していた夫がとても寂しがっていました。愛情が通じて夫によく懐いていましたから、相談者の深い愛情もきっと愛犬に伝わっていると思います。

とはいえ、夫婦の会話が犬のことばかりというのは少し心配です。それはもったいないことだと思います。ペットに愛情を注ぐのはもちろん素晴らしいことですが、先のことを心配しすぎず、ペット以外のことにも目を向けて、いろいろな対象に愛情を注ぎ、楽しんでください。

相談者は愛情深い女性で、おそらく経済的にも時間的にも余裕があるのでしょう。その資源を愛するペットに与えるだけでなく、分散させるという視点をぜひもってほしい。あなたの支援を必要としている人に分け与えることを考えてみてほしいと思います。

現代社会には、親から虐待を受けて児童養護施設で暮らしているなど、愛情に飢えている子どもがたくさんいます。そういう子どもを月に1回でもホームビジットで受け入れる、週末里親になる。あるいは外国人留学生を夕食に呼ぶ、ボランティアとして保育園や高齢者施設にお手伝いに行くなど、60代ならできることはたくさんあります。

懐いてくれるペットに心が癒やされるのは、自分の思うとおり、好きなように接することができるから。一方、困っている人を助けるというような人間相手のやり取りは自分の思いどおりにいかないことが多く、緊張感もありますが、その分、やりがいや手応え、得られる喜びも大きいはずです。

ペットだけでなく、人間でもあなたの愛情を必要としている人がたくさんいるということに気づいてください。家の外にも目を向けて社会を見渡してみれば、愛情を注げるものがきっと見つかると思います。あなたが愛犬以外に関心をもつようになれば、夫婦の話題ももっと広がると思いますよ。

※この記事は「ゆうゆう」2024年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


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