サンマルクカフェ/創業25周年、ベーカリーメニュー・既存店改装を強化

2024年で創業25周年を迎えるサンマルクカフェは、ベーカリー商品、新たなパン台の導入など既存店改装を強化する。

<鎌田社長と吉田マネージャー>

5月20日行われた事業戦略発表会で、鎌田滋之社長は「2018年創業者の急逝、コロナ禍で近年、(サンマルクHDの喫茶事業全体で)営業赤字が出るなど業績が落ち込んでいた。立て直しのため、改めて当社の強みである店内製造、焼き立てパンが楽しめるベーカリーカフェという原点に返った。また、季節限定のプレミアムチョコクロ、パフェ、スムージーといったZ世代向けの映える商品も拡充し、中心顧客層の40~50代に加えて、若年層の客数も増えている。2022年度には営業利益を黒字転換でき、業績はV字回復している」と説明した。

<スムージーはコアメニューに>

2024年度は25周年を記念し、「パンマルクプロジェクト」として、さらなるベーカリーカフェ回帰を図る。具体的には新パン台の採用、チョコクロカテゴリーの新たな形態の商品といったベーカリー強化、創業以来初のソフトクリームの刷新&パフェ導入、Z世代に人気のスムージーのコアメニュー化、コアドリンクのリニューアルのカフェ強化を行う。

<新型のパン台>

ベーカリー強化策として、デザートのパネルを設置していた場所を5月24日からパン台に変更。従来型のパン台も、2段式で大理石調の高級感あるパン台に入れ替える。2025年度までに全店でパン台をリニューアルする予定だ。

<従来型のパン台も入れ替え>

鎌田社長は「新店も数店舗出店するが、改装元年と銘打って既存店の大幅なリニューアルも推進。パン台の入れ替えだけでなく、お客様がより使いやすい店舗にしていく。先行して新しいパン台を導入した実験店では、いろいろなパンが選べるとお客様に好評で、売り上げも伸びている」と自信をのぞかせた。

<レトロなパフェメニュー>

また、カフェ強化策として、若年層をターゲットにしたレトロなパフェメニュー(各種税込み690円)を投入する。

昭和レトロなプリンアラモードとクリームソーダを掛け合わせたレトロパフェ、クリームあんみつ、自家製コーヒーゼリーパフェが登場。定番の抹茶パフェ、チョコバナナパフェはレトロで華やかなパフェに生まれ変わる。見た目もこだわり、従来のわん型容器から、おしゃれなトライタンパフェグラスに切り替える。

さらに、2012年3月の販売開始以来、初めてソフトクリームを刷新する。

マーケティング部の吉田美咲マネージャーは、「ソフトクリームは現行商品より、生乳量を増やし、リッチな味わいながら、後味がすっきりしたレシピに変更する。スムージーやパフェの相性もさらに良くなるよう設計した」と説明した。

そのほか、25周年企画として、創業当時人気だった、焼き立て「十勝あんぱん」を復刻する。

<レトロ風ピザトーストなども登場>

鎌田社長は、「24年度は一部店舗で販売していたレトロ風ピザトースト(490円)、ふわふわフレンチトースト(390円)を全国販売する。サンマルクカフェにレトロ風喫茶店のイメージを持っているお客様が多く、レトロな喫茶店にあるようなメニューを拡充する。また、SNSで発信したくなるような見た目も楽しい、映える商品開発には、20代の社員が活躍している。アイスコーヒー、ティー系商品のリニューアルも予定している」と話している。

取材・執筆 鹿野島智子

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