初夏の日差しに輝く絶景を堪能 後楽園で延養亭特別公開始まる

 岡山市の後楽園で20日、岡山藩主の居間として使われた延養亭の特別公開が始まった。亭内からの眺めは園内随一とされ、観光客らが初夏の日差しに輝く絶景を堪能している。26日まで。

 約10畳の主室の障子を開けると、青々とした芝生や木々、鮮やかに色付いたサツキなどが眼前に広がる。訪れた人たちはボランティアガイドの解説に耳を傾け、ゆったりと新緑を眺めたり、写真に収めたりしていた。

 新潟県燕市から夫婦で訪れた自営業の男性(67)は「濃淡さまざまな緑が陽光に映えて美しい。殿様が楽しんだ静寂な雰囲気に感激した」と話していた。

 主室の一角では、池田家伝来の脇息(きょうそく)や敷物の複製も展示。隣接する茶室「臨〓軒(りんいけん)」も見学できる。(〓はサンズイにケモノヘン、右側に奇)

 延養亭は17世紀後半の建築。1945年の岡山空襲で焼失したが、60年に再建された。

 特別公開は1日6回(約20分)あり、予約優先で各回10人。参加料600円(別途入園料が必要)。問い合わせは同園事務所(086―272―1148)。

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