ロシア第1四半期5.4%成長、ウクライナ侵攻で軍需産業活況

[モスクワ 17日 ロイター] - ロシア連邦統計局が17日発表した2024年第1・四半期(1―3月)の国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%増だった。前期の4.9%増から伸びが加速した。

経済発展省の従来予想では5.4%増、中央銀行が4.6%増で、ロイター集計のアナリスト予想は5.3%増だった。23年第1・四半期は1.6%減とマイナス成長だった。

ロシア経済は軍需産業が大黒柱となっている。ウクライナ侵攻を開始した22年は経済活動が落ち込んだものの、その後に武器や弾薬生産向け政府支出が膨らんでいる。一方で、国民の生活水準の改善が妨げられるという現実を覆い隠す形となっている。

中銀によると、第2・四半期は金融引き締めに伴って4.4%増に減速する見通し。

今年の成長率見通しは経済発展省が4月、従来の2.3%増から2.8%増に上方修正した。中銀は「1・0─2.0%増」から「2.5─3.5%増」に引き上げた。シルアノフ財務相は最も楽観的で、23年成長率と同じ3.6%増を予測している。

国際通貨基金(IMF)は4月16日に発表した世界経済見通し(WEO)の中で、24年のロシア経済成長率を3.2%増と予測。西側の経済制裁にもかかわらず石油輸出が堅調なことなどにより、前回予測の2.6%増から上方修正していた。

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