新設の女子テニス大会「W15富山 大東建託OP」で17歳の西村佳世がITFツアー初優勝! 世界へのチャンスを生かす<SMASH>

日本の若手女子テニス選手が世界に出ていくのを支援する一般社団法人『Japan Women's Tennis Top50 Club(JWT50)』が、今年も国内でのITFツアーの開催をスタートした。その第1戦で早速日本のホープが結果を出している。

JWT50とは、日本女子テニス界のレジェンドである伊達公子氏をはじめ、世界ランキング50位以内をマークした杉山愛氏、神尾米氏らの有志によって2022年に創設された一般社団法人。若手の育成を目的に昨年から日本各地でITFツアーを開催し、今年も「大東建託オープン」として6つのW15(賞金総額15,000ドル)大会を予定している。

ITFツアーは国際テニス大会のカテゴリーの中で、WTAツアーの下部ツアーに当たり、特に賞金総額15,000ドル大会は最も低いグレードとあって、これから世界を目指す新鋭たちの登竜門と言える。ランキングポイントがない、あるいは少ないジュニアや若手たちは、皆このW15からスタートするのだが、出場できる保証がないのにいきなり海外の大会には挑みにくい。国内に数多くのW15大会を整備することが、若手のチャレンジを促進する上で不可欠という考えから、JWT50は「大東建託オープン」を主催している。

そのシーズン開幕戦であり、今年から新設された大会が「W15富山 大東建託オープンsupported by JWT50」だ。5月14日から常願寺川公園テニスコート(立山町)で行なわれ、19日のシングルス決勝をもって幕を閉じた。
頂点に立ったのは、日本女子期待の星である17歳の西村佳世だ。第6シードで世界ランク846位の西村は、準々決勝で第4シードの阿部宏美(740位)に6-4、6-1で快勝。準決勝でも韓国選手に圧勝すると、決勝では第2シードのウー・ホーチン(香港/622位)に6-4、7-5で競り勝ち、タイトルを手にした。

西村はこれがITFツアー初優勝! 昨年2月にチュニジアのW15で一度決勝に進んだことがあるが、その時はフルセットで敗れており、2度目の決勝で栄冠を引き寄せた。今大会では初戦から決勝まで1セットも落とさない強さだった。

西村は2022年に全日本ジュニア16歳以下で優勝。昨年末には一般大会の「島津全日本室内テニス選手権大会」でも並みいるプロを押さえて優勝しており、これからの日本女子を背負っていくと目される逸材だ。

なお、前日行なわれたダブルス決勝では、第1シードの阿部宏美/永田杏里が松田鈴子/西本聖良を6-2、6-3で下して優勝。このペアでのITFツアー優勝は昨年秋のW25牧之原以来で、2勝目となった。

構成●スマッシュ編集部

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