中国、50年までにCO2排出量実質ゼロに近づく DNV

中国、50年までにCO2排出量実質ゼロに近づく DNV

海南省のボアオ・ニアゼロカーボンモデル区にあるボアオ・アジアフォーラムホテルの機械室。環境配慮型改造の一環として、エネルギー効率の高い設備に更新した。(3月25日撮影、ボアオ=新華社記者/楊冠宇)

 【新華社北京5月20日】ノルウェー船級協会(DNV)はこのほど、報告書「中国エネルギー転換見通し」を初めて発表した。2050年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量に占める中国の割合が5分の1に低減し、絶対値では、中国のCO2排出量が23年比で70%低減し、CO2排出量を実質ゼロにする目標の達成に近づくとの見通しを示した。

 報告書は、中国のエネルギー消費量が30年にピークに達し、50年に20%減少すると見込む。従来型エネルギー分野では、中国の石炭生産量は50年までに国内需要をほぼ満たす一方、石油・天然ガスの供給は引き続き輸入に依存するという。石油消費量は50年までに27年のピーク値から半減し、石油需要の84%は輸入に依存すると予想する。中国の天然ガス消費は高水準を維持し、50年の消費量は23年の水準をやや下回り、天然ガスの58%は輸入する必要があるとした。

 中国のグリーン(環境配慮型)技術と応用については、世界の再生可能エネルギー投資をリードしているとの見方を示した。

 報告書は、中国の再エネ設備容量が50年までに約6倍に増加すると予想する。今世紀半ばまでに、中国は世界最大の風力エネルギー市場となり、50年までに太陽光発電と風力発電の総発電量への寄与度はそろって38%になるとした。

 DNVの代表も務めるレミ・エリクセンCEO(最高経営責任者)は、中国のエネルギー転換に賞賛すべき点が多く、再エネ、エネルギーの貯蔵・輸送技術の面で、脱炭素化とクリーン技術の発展に取り組んでいると指摘。その上で、中国は引き続き化石燃料への依存を減らし、エネルギー構造転換をさらに推進させ、50年より前に、CO2を排出しない「ゼロエミッション」により近づく潜在力があるとの認識を示した。

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