ミニストップ/神田に新旗艦店オープン、トップバリュ商品構成比3割

ミニストップは5月20日、「ミニストップ神田錦町1丁目店」(東京都千代田区)をリニューアルオープンした。専門店品質のファストフードを強みに、ショートタイム・ワンストップショッピングを実現。新たな利便性を実現するフラッグシップ店として運営する。

<店舗外観>

ミニストップの特徴は「ファストフード」と「コンビニエンス」を融合させた「コンボストア」だが、昨今の環境変化や生活者ニーズの多様化に対応するため、2023年度より「Newコンボストアモデル」の確立に向けた商品改革・オペレーション改革を推進。デジタル事業であるEC・QCや職域事業を育成してきた。

新たな旗艦店では、従来の利便性に加え、生鮮食品や「くらしの品」の品ぞろえを拡大する。特に、イオングループのPB「トップバリュ」の品ぞろえは、既存店と比較して1000アイテム以上増加。商品構成比で3割以上に拡充した。キャッシュレス化やタイムパフォーマンス重視に応えるセルフレジ、モバイルオーダーも導入し、買い回りしやすいレイアウトにしている。

<藤本社長>

18日のメディア向け説明会で、藤本明裕 社長は「お客様のニーズや生活、価値観の変化が急速に進むいま、提供価値も進化しなければならない。コンボストアを構成するファストフードとコンビニエンスそれぞれに磨きをかけることが、Newコンボストアの取り組みだ。フラッグシップ店舗を新たなラボ(実験店)として、既存店にも成功事例を水平展開することで、Newコンボストアモデルを進化させる。

約200m2の店舗を今年は60店舗、来年度は100~120店舗ほど増やしたい。だが、店舗数にはあまりこだわらない。既存店も強くして、場合によってはリロケートする。ここ5年くらいは出店を止めていたため、いまこそ再成長したい」と意気込みを語った。

<平松本部長>

商品ラインアップについて、平松恭輔 戦略本部長は「ファストフードは専門店品質にこだわり、健康軸で価値を訴求する。コンビニエンスでは、価格軸でニーズに応えるスーパーマーケット(SM)型の品ぞろえにした。トップバリュ製品は1000アイテム以上、生鮮は農産70、畜産30、水産20の計120アイテム取り扱う。

神田の商圏を分析すると、SM型店舗のニーズあることが分かった。近隣にもスーパーはあるが、品ぞろえや買い方を見ると出店できると判断した。弊社の強みであるファストフードと組み合わせて、美味しさと便利さを提供していく」と説明した。

<ファストフードの提供カウンター>

ファストフードは、専門店品質の商品を「一番美味しい状態」で販売することにこだわる。天然羊腸を使用した合い挽き肉100%のソーセージを、もっちりとした食感のパンで挟んだホットドッグ(税別199円)や、野菜が摂れるトルティーヤ、サンドイッチ、ソフトクリームをはじめとしたコールドデザートを用意。これらを注文が入ってから店頭で作る「オーダー・フォー・ユー」で提供する。利用シーンに応じて、店頭のオーダー端末やモバイルオーダー、デリバリーなどの注文・決済方法を選択可能だ。

藤本社長は「提供に1分以上かかると、お客さんは待ってくれないし、人手不足の問題もある。核商品となるホットドッグは約30秒で提供でき、年間を通じて売れる。ホットドッグのように提供時間が早くて、オペレーションの負担が少ない商品設計を今後も考えたい」と話す。

<米飯も充実>

入口正面には、店内手づくりの米飯・総菜を展開。国内産十穀米の食感を楽しめるおにぎりや、トップバリュの幕の内弁当などが豊富に並ぶ。もちろん、既存のミニストップオリジナル商品も用意した。

<生鮮コーナー>

入口近くには季節感・鮮度感あふれる農産品をそろえ、より生活密着型、普段使いの店舗を目指す。肉類も充実している。

<冷食も強化>

冷凍食品は野菜、おかず、弁当・米飯類、パスタ・ピザ類、麺類、氷と、これまでのミニストップの約3倍の商品数がそろい、簡便ニーズや買い置きニーズに対応。トップバリュの冷凍野菜なども扱い、お値打ち価格と価値の両面で訴求していく。

商品構成について、中澤光晴 商品・デジタル担当は「トップバリュの導入には、30代未満のお客様を増やす目的もある。ミニストップ利用者の年齢が高くなっているため、M・Z世代向けを意識したトップバリュ商品を入れることで、若い世代を取り入れたい。

お値打ち価格のグロサリーと付加価値のある総菜、ファストフードを当たり前のように組み合わせることで、消費の二極化に対応する。従来のコンボから組み合わせのバリエーションを大きく広げたい」と述べた。

<省人化対応>

省人化対応も推進する。店内にはセルフレジを6台導入。取材時には掃除ロボットが床を清掃していた。

<店内パース>

神田錦町1丁目店はテークアウト需要を重視し、イートインコーナーは置いていない。今後の出店では、スペースがあればイートインの導入も検討する。

■ミニストップ神田錦町1丁目店
所在地:東京都千代田区神田1-1
開店日時:2024年5月20日
店舗面積:約262m2(約79坪)
アイテム数:約3500

取材・執筆 古川勝平

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