ネリー・コルダが強すぎる 米国人では32年ぶりのシーズン6勝「ジェットコースターのような苦労が報われる」

今季6勝目を挙げたネリー・コルダ(撮影:GettyImages)

<ミズホ・アメリカズオープン 最終日◇19日◇リバティ・ナショナルGC(ニュージャージー州)◇6675ヤード・パー72>

ネリー・コルダ(米国)が強すぎる。単独首位から出ると最終日は4バーディ・3ボギーの「71」をマーク。トータル14アンダーで逃げ切り、今季6勝目を飾った。

先週の「コグニザント・ファウンダーズカップ」ではツアー史上初の6連勝をかけてプレーしたが、優勝争いに加わることができず。史上初の偉業は惜しくも逃したが、すぐに再び優勝カウントを『1』に増やした。今季はここまで8戦6勝。シーズン6勝は2013年にインビー・パーク(韓国)が達成して以来8人目。米国人としては1992年ベス・ダニエル以来32年ぶりの快挙となった。

最終組からティオフして、序盤は苦しい滑り出しだった。後続は伸ばしてくる中、自身は2つ落とす展開に。同組のハナ・グリーン(オーストラリア)、古江彩佳と並んで後半に入った。「2オーバーでも首位タイだったから、自分のプレーにがっかりしたわけではない。タフなスタートだったことには間違いなくて、バックナインで頑張った」。

その後古江は失速し、ネリーとハナの一騎打ちになった。「ラスベガスでマッチプレーをしているような気分。一進一退の攻防が続いた。ガマン強く、いいショットが打てると信じてプレーしなければならなかった」。ネリーが10番、13番、15番でバーディを奪うと、同じホールでハナもバーディを獲ってくらいつく。そしてハナが18番をボギーとしたことで、パーでホールアウトしたネリーに軍配が上がった。

2022年1月はコロナに感染。そして血栓が見つかり、4月には手術を行った。一時離脱を挟みながら、同年11月に優勝。「2021年末のケガから今年まで、ジェットコースターのような苦労が報われる」。記録が残る1978年以降ではナンシー・ロペス(米国、1978年)、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン、2004~05年)の2人しか成し遂げていない偉業、5連勝を達成。6連勝は途絶えたが、これで通算14勝目を果たして、再び記録への再挑戦が始まる。

1週間のオープンウィークを挟み、次戦は「全米女子オープン」(30日開幕)。世界No.1女子ゴルファーを決めるメジャー大会だ。「全米女子オープンの優勝はやりたいことリストのかなり上位。これ以上、自分にプレッシャーをかけてもいいことはない。自分の殻に閉じこもって試合に臨むつもり」。メジャー今季初戦「シェブロン選手権」を制し、21年には「KPMG全米女子プロ選手権」で勝利している。“ネリー最強時代”を築き、メジャー3冠の快挙達成も近づいている。

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