「あゆ王国」を知って、食べて、楽しんで 高知の清流は天然アユの宝庫

身も骨もやわらかく、爽やかな香りが楽しめるアユ料理

高知県には、日本三大清流の一つとされる四万十川や、西日本最高峰の石鎚(いしづち)山から太平洋に向けて124キロを流れ「奇跡の清流」とも称される仁淀川など、自然豊かな河川が多く流れる。これらの清流はアユの宝庫でもあり、古くから中山間地域の漁業や食文化を支えてきた。

アユは、秋から冬にかけて川の下流で産まれ、海で冬を過ごす。春になると川を上り夏に成長、秋には下流で産卵し生涯を終える。アユの生息には、ミネラルたっぷりの水を供給する森林資源をはじめ、川底まで届く太陽の光、そして産卵や遡上(そじょう)できる河川環境が整っていることが条件だ。

全国的に天然アユの漁獲量が減る中、高知県では、天然アユが生息できる自然環境や川遊び文化を守りながら観光や中山間振興、漁業などの活性化を目的に、「あゆ王国高知振興ビジョン」を策定し、さまざまな施策を進めている。その一環として、アユ漁の解禁に合わせ、天然アユの魅力を紹介するイベントが都内で開かれた。

天然アユは、生息する清流によって味が異なるという。特に、この時期の天然アユは、身も骨もやわらかく、スイカやキュウリのような爽やかな香りを楽しんでほしい。塩焼きだけでなく、あゆ飯やアヒージョ、フライなどもおススメだ。

高知県内では、4月から観光キャンペーン「どっぷり高知旅」がスタート。日常からかけ離れた極上の田舎体験を通じて、高知の自然や食、歴史、文化にどっぷりと触れてもらうことが狙いだ。今夏、アユの友釣り体験や四万十川で行われる伝統的な火振り漁など、高知の清流で楽しんではいかが?

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