新エネ車の世界需要は生産能力をはるかに上回る 新華社経済円卓会議

新エネ車の世界需要は生産能力をはるかに上回る 新華社経済円卓会議

広東省広州市にある広汽埃安新能源汽車(AION)の工場で、全自動でタイヤを取り付けるロボットアーム。(4月24日撮影、広州=新華社記者/鄧華)

 【新華社北京5月20日】中国工業情報化部の何海林(か・かいりん)運行監測協調局副局長は、新華社が20日配信したオムニメディア(全媒体)形式の討論番組「中国経済円卓会議」(第5期)で、中国の新エネルギー車をターゲットにした「生産能力過剰論」に、新エネ車の世界需要は現在の生産能力をはるかに上回ると反論した。

 何氏は、世界の新エネ車需要が2030年に22年の4.5倍の4500万台に達するとする国際エネルギー機関(IEA)の試算を引用した。

 IEAは、世界の電気自動車(EV)販売台数は今年も堅調を維持し、年末に約1700万台に達するとも予測。今年第1四半期(1~3月)の売上高は前年同期比約25%増と20年通年の売上高に匹敵した。

 何氏は、グリーン(環境配慮型)エネルギーの開発が世界的なコンセンサスであり、新エネ車の開発は汚染削減と気候変動への取り組み、生態環境改善に向けた各国共通の選択肢になっていると説明。一部の国が主張する中国新エネルギー産業の「生産能力過剰論」に対して、ある国の生産能力が内需を超えるのは世界で一般的かつ正常な現象であり、その国の比較優位と国際的な分業・協力の結果を反映していると反論した。

 「市場経済では需給の量は常に変化する。需給バランスは相対的で、ミスマッチは一般的だ」とも述べ、急速な拡大を遂げる新エネ車産業は、計算された稼働率だけで生産能力が過剰と結論付けることはできないと指摘。過剰生産能力を判定、評価する統一された国際基準は存在せず、稼働率は一つの参考指標として使えるものの、業界の特性や市場サイクル、企業の業績と可能性、国内外の市場などさまざまな要素を考慮する必要があると述べた。

 中国では巨大な市場需要、供給を確保する整った産業システム、大規模で優秀な労働力、技術革新と研究開発(R&D)への継続的投入などの優位性が新エネ車産業の総合的な競争優位性を構成していると説明。気候変動対応に関する取り組みは、各国、各地域がそれぞれの競争優位性を活用し、オープンな協力と政策調整を強め、革新的な成果の共有を促進し、公正な競争と自由貿易の環境を整える必要があると語った。

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