イ・ボミに見惚れた9年前 ルーキー與語優奈がプロを志したきっかけ

ルーキーの19歳・與語優奈(撮影は初日)(撮影/村上航)

◇国内女子◇ブリヂストンレディスオープン 最終日(19日)◇袖ヶ浦CC 袖ヶ浦コース(千葉)◇6731yd(パー72)◇曇り(観衆4408人)

小学5年生の時、父・一樹さんに連れて行ってもらった練習場で、與語優奈(よご・ゆいな)は初めてクラブを握った。

ゴルフを初めて間もなくして、一樹さんとともに地元・愛知の中京GC石野コースで開催された本大会を観戦。9年前、人生初のプロトーナメントで見た光景は、今でも鮮明に覚えている。「その組はすごいギャラリーがいっぱいいて、もうカッコよかった。どこから打ってもピンを刺していくイメージ」。その年に7勝を挙げて賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国)のプレーにくぎ付けになり、プロを志すようになった。

“本気”になってからの上達は早かった。一樹さんは「娘の方がうまくなっちゃったので、僕の遊びのゴルフよりも彼女を優先させました」とサポートに専念。観戦から3年後の2018年「愛知県中学校ゴルフ選手権」を制すと、翌年も連覇を達成。高校は通信制のECC学園高に進学し、思う存分ゴルフに打ち込んだ。

イ・ボミに憧れてゴルフを始めた(撮影/村上航)

高校3年生の時に初受験したプロテストは2次で敗退したが、2023年に2度目の受験で合格。今年1月には、テスト同期で「2人とも中学生くらいからの友だち」という清本美波、馬場咲希とタイで合宿を行い、ルーキーシーズンに備えた。

プロ初戦となった4月の下部ステップアップツアー「YANMAR HANASAKA Ladies」で予選通過を果たすと、2試合目「フンドーキンレディース」は28位に入った。レギュラーツアー初戦「パナソニックオープンレディース」でも決勝ラウンドに進むと、今大会では2日目の最終18番(パー5)で8mのバーディパットを流し込み、カットライン圏内に滑り込んだ。決勝ラウンドは「69」「76」で回り、通算3オーバー43位で終えた。

主催者推薦で出場したレギュラー2試合は「楽しいですし、ギャラリーの皆さんの声もすごく力になります」。QTランキング79位の今季はステップアップツアーが主戦場だが、次週のレギュラー「リゾートトラスト レディス」(5月23日~/兵庫・関西GC)にも推薦で出場する。

19歳は「来週こそ上位に入って、リランキングで後半戦に出られるようになりたい」と力強く目標を掲げる。19日付の暫定リランキングは58位。一歩一歩、着実に階段を上がっていく。(千葉市緑区/内山孝志朗)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン