ジョージアはロシアと欧州どちらに向かうのか 「スパイ法」を解説

東欧ジョージアのサロメ・ズラビシヴィリ大統領は18日、「外国からの影響に対する透明性法案」に拒否権を発動した。首都トビリシでは、数週間にわたって法案に反対する大規模なデモが行われており、数万人が参加している。

ズラビシヴィリ大統領はテレビ演説で、この法律は「その本質と精神において、基本的にロシア的」であり、ジョージアの欧州連合(EU)加盟への道を阻むものだと述べた。

しかし、イラクリ・コバヒゼ首相の率いる与党「ジョージアの夢」は、議会での再投票によって拒否権を覆すだけの議席数を保有しているため、大統領の拒否権は象徴的なものに過ぎない。

この法律は、国外から20%以上の出資を受けている団体やメディアを「外国勢力の利益のためにはたらく組織」として登録することを義務付けるもの。ジョージア議会は15日にこの法案を可決した。

ジョージア政府は、透明性の向上とジョージアの主権を守ることにつながる法律としている。

しかし反対派は、ロシアの影響下にある与党が、ジョージアをロシアに引き戻そうとしていると批判している。

ロシアが同様の方法で批判者を抑圧していることから、この法律は「ロシア法」とも呼ばれている。

BBCのロズ・アトキンス分析担当編集長が、ジョージアの選択と、それをめぐる外交状況を解説する。

(制作:マイケル・コックス、メアリー・フラー)

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