草彅剛「どうやったらキョンキョンとごはんに行けるの?どっちが誘うの?」國村隼にライバル心!『碁盤斬り』舞台挨拶

『孤狼の血』『死刑にいたる病』の白石和彌が、『ミッドナイトスワン』『台風家族』の草彅剛を主演に描く、古典落語をベースにした本格時代劇『碁盤斬り(ごばんぎり)』が、5月17日より公開中。それを記念して、5月18日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて公開記念・生中継つき舞台挨拶が行われ、草彅剛、市村正親、小泉今日子、國村隼、白石和彌監督が登壇した。

公開2日目を迎えたこの日の舞台挨拶は、全国47都道府県327の劇場に生中継。満席の会場を笑顔で見渡した草彅は「全国のみなさーん、見えてますかー?こんにちは!」とカメラに向かって手を振る。「昨日公開で今日は2日目。昨日と変わらず、ずっとドキドキしていて、朝からエゴサーチしてました(笑)」と報告。「みなさんよろこんでくれたり、楽しい時間をすごしてくださったようで、うれしいです」と反響に感謝した草彅は「今日は、マスコミが入らない舞台挨拶なので、より深くおもしろい裏話ができると思います」とニヤリ。会場からは貴重なトークに期待を込めた大きな拍手が沸き起こった。

「映画では僕の新しい顔が見られると思います。みなさんに支えられて役を作り上げることができました」と共演者に感謝した草彅は「ひとりでも多くの人に観てほしいと思っています。よろしくお願いいたします!」と呼びかけた。

格之進を演じる草彅は、スクリーンで普段とは違うかっこよさで魅了する。『碁盤斬り』の舞台挨拶ではたびたび草彅のギャップが話題に。「かっこよさにもいろいろあるんでね(笑)」と話した草彅は「僕の顔(映画のポスター)を貼り付けたバスも運転したりして」と都内5箇所を周遊中(5月27日までの予定)の本ポスタービジュアルをラッピングしたロンドンバスについて言及。「僕が運転しているわけじゃないけれど」と笑いながら、「僕に見えないとか、誰だか分からないというのは褒め言葉だと思って(感想を)受け取っています。それだけ役に入り込んでいたと思うようにしています」と反響への思いを語り、「僕も(映画を)観た後に僕じゃないって思いました。芸能生活の中で、一番大人な顔を撮ってくれたんだと思います」と白石監督の方を向き深々とお辞儀。新しい顔を引き出すことができたのは、共演者の存在もあったとし、「みなさんと共にお仕事をして来た、(これまでの)いろいろなつながりもあってできたのかな」としみじみ。「自分が観てもかっこいいって思うし、一番気に入っている作品になっています」と新たなお気に入りができたと報告し、大きな拍手を浴びていた。

「笠(かさ)姿がかっこいい!」という小泉の言葉に、「そう!自分でもそう思います!」と満面の笑みを浮かべる草彅。「今、笠をかぶったら世界一じゃない?」との小泉の褒め言葉に、「日本を飛び越えて。国際的な。ワールドナンバーワン笠!」とキャッチフレーズをつけ会場を笑い声と拍手でいっぱいにした草彅。小泉からの大絶賛にご機嫌の草彅は「先輩方に囲まれて、(映画の中で)ちゃんと仕事しています!」と、かっこよさのギャップが堪能できるのは、真剣にお芝居に向き合っていたからと胸を張る場面もあった。

國村は「格之進という人はものすごく几帳面な人。この人の碁に僕が演じるキャラクターは心酔しちゃう、そういう関係性です。そこからいろいろなことが起こってくる」と物語の流れを解説。「四角四面でカチカチの格之進が源兵衛をはじめ、いろいろな町人たちと関わる中で、いろいろなものを見るようになって…」と國村が格之進の変化に触れると「『おっさんずラブ』なんですよね」とニコニコの草彅。「本当にそれに近い!」と國村も反応。草彅は「性別を超えた人間愛の物語」と補足。國村が「まさにそう。碁敵っていう言葉があるけれど…」と話し始めたところで、「ごがたき?」とポカンとした草彅。「碁敵。碁を挟んだ敵同士」との國村の説明に「あー、その碁ね。なんかことわざなのかと思っちゃった“百聞は一見にしかず”みたいな」と苦笑いの草彅。「碁敵はイコール恋人に近いかな。人間としてのリスペクトから始まる物語なので」との國村の指摘を受け、草彅は「まさに。なるほど、碁敵、碁敵」と復唱し、格之進と源兵衛の関係性を表す言葉を取り込んでいた。「市村さんとも『おっさんずラブ』がある!」と、格之進と長兵衛の関係性にも“ラブ”が存在するとした草彅。「そうそう!」とうれしそうに身を乗り出す市村の隣で、「親分とも『おっさんずラブ』があるね」と笑顔の國村。「つよぽんは、綺麗な格好で出てくるけれど、だんだん汚くなっていく…」と映画の中での格之進の身なりの変化を説明する市村に「一番汚いときに出会って…」と二人の出会いを振り返った草彅。「そこに何かを見つける、キュン!ってね」と指ハートを作った市村に大爆笑の草彅だったが、「僕はずっとキョンキョンにラブし続けている」と突如、役を離れ、個人的なキュンを告白。小泉は「いつも本当にありがとう」と自分への愛を語る草彅に感謝。「マジでずっとラブ。だからキョンキョンと國村さんが仲がいいのにかなり嫉妬していて…」と草彅の話題はラブから嫉妬へ。「ヤキモチ妬かない!」との市村のツッコミに「だってずっと話してるんだもん!」と拗ねる草彅。「京都でもごはん一緒に食べに行った!」との小泉の報告に「ズルい!」と草彅のジェラシーはメラメラ。「どうやったらキョンキョンとごはんに行けるの?どっちが誘うの?」と矢継ぎ早に質問する草彅に小泉は大笑い。「僕が誘うんだよ」とサラッと答えた國村に「えーーー!!」と叫ぶ草彅。小泉が「國村さんは京都に詳しいから、“どこかおいしいお店ないですか?”って訊いて」と経緯を話し始めると、國村が「知ってるよ、一緒に行く?ってなる」とニヤニヤ。二人のやりとりに「なるほど。國さんからか。あ、昨日から國さんって呼んじゃってるけれど…」と話題が逸れそうになるも、小泉との食事を実現したい草彅は「大人としていろいろ知っておくことが大事なのか。まずは京都のおいしいお店とか」と頭に叩き込むような仕草を見せる。すると小泉が「だって、古着屋さんしか行かないでしょ?」と草彅の京都での過ごし方に触れると、「ちょっと狭いんや!」と興味を持つ範囲に國村からもダメ出しが。「確かに、狭いな」と納得した草彅は「テーマはそこだな」と頷き、笑いを誘っていた。

MCから小泉の興味のあることを知ることが大切とのアドバイスも。すると小泉が「韓国語を覚えたい。教えてください」とコメントし、草彅を優しくリード。「いいですね」とまんざらでもない草彅だったが小泉から「チョナン・カンさんに教えて欲しい!」と具体的にリクエストされると、「少しは教えられるかも…」とちょっぴり遠慮気味に。「具体化されると引くんだよね(笑)」との小泉の鋭い指摘に、「國さんついてきて!」と國村にすがるような仕草を見せた草彅に一同大爆笑。「韓国語でけへんで」と答える國村だったが「國さん、韓国作品たくさん出てるから大丈夫」と答えた草彅に「それは関係ないで〜」と返し、流れるようなトークで会場を笑いの渦に包み込んだ。

最後の挨拶で草彅が「キョンキョンとは29年前に共演して、市村さんとはドラマ『ホテルビーナス』以来20年ぶり。國村さんとはドラマ『ペペロンチーノ』以来3年ぶりで。今朝はそんな御三方と会うんだなっていろいろと思い出していて。僕はこの映画で何を伝えたかったのかなってちょっと真面目なことも考えている中で、僕と格之進の決定的な違いって何だろうって思ったときに“覚悟が違う!”って気づいて。生きる覚悟が僕にはない、格之進にはある」と話したところで、「あるよ」「覚悟だらけじゃない!」との言葉が登壇者から飛ぶ。すると草彅は「ネガティブじゃなくて。切腹とか生きる覚悟、すなわち死ぬ覚悟。そういう覚悟を持って格之進は生きている。覚悟の度合いが違うって思ったんです。でも、シンプルに考えたら、毎日生きているってことは毎日命がけってこと。格之進から“お前は覚悟を持って生きているのか…”みたいに言われているように感じて。覚悟を決めて生きていく人生ってかっこいいじゃないですか。何気なく過ごしている日も覚悟を決めて命をかけて生きているわけだから、そういうマインドを新しく格之進に書き換えてもらったのかなと今日、思いついちゃって(笑)」と最新の発見に満面の笑みを浮かべた草彅は、「僕の作品を観て心を動かしてもらいたい。そういうことに命をかけてこれから生きていこうかな、ということを格之進から教わりました」と語る。そんな気づきも、共演者との出会いがあったからとし、「みなさんと長くおつきあいしてきた中から生まれたのかなって。便利な時代だけど、自分が何に命を燃やしているとか、少し考えてもらえるきっかけになればいいな、なんて、最後にそんなことを話したかったんです!」と自身の思いを真摯に伝える草彅に、この日一番の大きな拍手が贈られていた。

『碁盤斬り』
2024年5月17日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
出演:草彅剛 清原果耶 中川大志 奥野瑛太 音尾琢真 市村正親 立川談慶 中村優子 斎藤工 小泉今日子 國村隼
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘の絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意する。絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び…。父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる。

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