3万円を超える参加費で「完全予約制」。
「高級すし」を新たな観光資源にしようと、北九州市でユニークな取り組みが始まりました。
5月17日の夜、北九州市の小倉城。
普段であれば閉館しているはずの城内ではー
◆記者リポート
「天守閣まで上がると、高級な雰囲気が漂っています。そして、割烹着の方々が何やら慌ただしく動き回っています」
小気味よくおろされたワサビに、切り分けられた脂たっぷりのトロ。
天守閣で行われていたのは、小倉の夜景を眺めながらすしを味わうイベント、その名も「小倉城 寿司&キャッスル」です。
5月7日の会見で「すしの都」と繰り返し強調した北九州市の武内市長。
北九州市は「玄界灘」「響灘」「周防灘」の3つの海に囲まれている、いわば「すしネタ」の宝庫です。
北九州市は、「新鮮なすし」を観光資源にしようと様々なイベントを展開する予定で、「小倉城 寿司&キャッスル」はその取り組みの目玉なんです。
◆武内北九州市長
「新鮮でバラエティがあって、技を持っている職人の思いがこもっている。全部揃っているから『すしの都』を目指せると思っています」
記念すべき第1回目の寿司&キャッスルを任されたのは、ド派手なパフォーマンスと繊細な仕事で世界中の食通を魅了する「照寿司」の3代目・渡辺貴義さんです。
Q.小倉城ですしを握る気分は?
◆照寿司 渡辺貴義さん
「初めてなので、ちょっと分からないですけど、いや、上がりますね」
少し緊張気味の渡辺さん。
それもそのはず、イベント開始前の会場には大勢のメディアが詰めかけ、撮影用に用意した10貫をカメラが取り囲むという光景が広がっていました。
◆記者リポート
「マスコミ各社との争奪戦の中、近海でとれたヒラメ、特別にいただくことができました。赤酢と歯ごたえのあるヒラメの食感が合わさって、本当においしい」
参加費3万3000円で完全予約制という豪華絢爛なイベントを訪れたのは、15人の食通たち。
小倉の夜景をバックに食事会が始まりました。
◆照寿司 渡辺貴義さん
「必ずお腹いっぱいにする。皆さんの携帯のカメラロールを我々でいっぱいにする」
カメラに向かって“ドヤ顔”をする「照寿司」名物のパフォーマンスで客を沸かせる渡辺さん。
近海でとれたネタは、緻密に計算された密度で握られたシャリに乗って少し「沈む」と、口の中へー。
◆訪れた客
「美味しいですよ。さっきシャリの温度が(大事)っておっしゃっていたけど、本当にちょうど良くて。贅沢ですよね」
母の日のプレゼントとして親子で参加した客はー。
◆息子
「ウマッ!」
◆母親
「素晴らしいです。とっても美味しいです」
◆照寿司 渡辺貴義さん
「すごくいい仕事ができました。すしというのは、港が近いところが一番うまいので、(北九州市は)すごく近い距離にありますので、鮮度も漁業関係者たちの意気込みとか技術もすごくレベルが高い。その辺がすしの旨さかなって思いますね」
大盛況のまま終了した「小倉城 寿司&キャッスル」は、今後も担当するすし店を変えて、月に1回開催される予定です。