長崎市で18日、救急車と路面電車が衝突しました。
救急車は患者を搬送するため、緊急走行しながら軌道敷に入っていきました。
急に止まれない電車と急ぐ救急車。
交通規則を見ると、現場では慎重な判断が求められていました。
18日午後2時ごろ、長崎市若葉町で、女性を搬送していた救急車と路面電車が衝突する事故がありました。
路面電車の乗員・乗客にケガはなく、救急車の女性も別の救急車に乗り換えて病院に搬送されました。
事故にあった救急車は修理される予定です。
市消防局は、今のところ4台ある予備のうち1台を充てるとしていて、影響はないとしています。
今回の事故は電車の軌道敷でおきました。
緊急車両と路面電車の交通ルールはどうなっているのか警察に聞きました。
長崎県警 交通部 小川隆博管理官
「道路交通法で緊急自動車の優先というのが第40条で規定されている。交差点やその付近で緊急自動車が接近したときは、路面電車は交差点を避けて一時停止しなければならない」
しかし、長崎電気軌道によりますと、路面電車は通常、時速20キロから40キロで走っていて、ブレーキをかけてから停止するまでの距離は最長60メートルだといいます。
県警交通部 小川隆博管理官
「緊急自動車であっても交通事故を防ぐための運転というのは相手が突っ込んでこないことを確認することが最善」
軌道敷を右折するとき、一般車両も気を付けるべき決まりがあります。
県警交通部 小川隆博管理官
「基本的には軌道敷外で右折待ちなどをしないといけない。どうしても緊急車両は急いでいるので、相手の動きを見ながら一番ベストな場所で停止するのが一番」
長崎市消防局は、事故を受け、当時の状況を検証して再発防止を図るとしています。
長崎市消防局は4台の予備があるということですが、平戸や五島の消防本部は、万一、事故や点検などで車両が使えない場合はやりくりして対応するため、出動できない事態にはならないとしています。