乳がん術後も楽しめる温泉知って お宿ネット、美作で27日シンポ

 乳がんの手術を受けた人が術後の痕を気にせず温泉旅行を楽しめるサービス、プランを提供する旅館やホテルの組織「ピンクリボンのお宿ネットワーク」は27日、全国の加盟宿関係者が集まるシンポジウムを岡山県内で初めて美作市湯郷の湯郷グランドホテルで開く。取り組みを広く知ってもらおうと、一般の参加も募っている。

 2012年7月設立のネットワークには約130施設・団体が加盟。誰もが旅を楽しめる環境づくりを目指し、加盟宿で毎年シンポジウムを開いて情報の交換、発信を進めている。今年で10回目。

 湯郷グランドホテルは県内唯一の加盟宿。ネットワーク設立当初から参加して、乳がん経験者の宿泊料金を割り引いたり、貸し切り風呂を無料にしたりするプランを用意し、服薬状況や体質に合わせた食事を提供している。大浴場に気兼ねなく入れるように、胸の手術痕などをカバーする入浴着の無料貸し出し、販売も行う。

 シンポジウムでは、元厚生労働省がん対策推進協議会委員の桜井なおみさんが、自身のがん経験などを基に講演。同ホテルの取り組みを女将(おかみ)の峯平ゆかりさん(57)が報告する。峯平さんは「中四国には加盟宿が少ない。乳がんやピンクリボンのお宿のことを多くの人に知ってもらい、広げたい」と話す。

 午後1時半から同4時45分まで。参加無料。申し込みは事前に同ホテル(0868ー72ー0395)。

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