「青森ホタテ」の生育調査始まる 生育が「遅れ気味」「順調」 漁協によって差も

2023年、高水温の影響を受けた陸奥湾ホタテについてです。湾内の漁協では、生育状況を確認する調査が20日から始まりました。

調査は養殖ホタテの実態を把握するため、各漁協ごとに年2回、春と秋に実施しています。

このうち青森市の後潟漁協では、漁協の職員や県の担当者たちが2023年に産まれた半成貝を引き揚げました。

そして、貝の重さや大きさを測るとともに、へい死した貝の数や異常がないかどうかを確認しました。

漁協によりますと、死んだ貝は3%未満でしたが、貝の大きさは例年より1センチほど小さく、重さも3割程度軽くなっていて、生育は遅れ気味だということです。

【後潟漁協 山口隆治組合長】
「やっぱり数量的には、去年より少し下回るくらいだと思います」
「例年に比べると、去年は3割くらい、今年も(例年の)3割いければいいと願っている」

また山口組合長は、今後の対策として稚貝の確保が重要だという考えを示しました。

【後潟漁協 山口隆治組合長】
「水温的に見れば、もう限界だと思う。けれども、それで生活していかなければならないので、私たちも水深の深いところに稚貝の採り方を変えて、これから頑張っていかなければならないと思っています」

一方、青森県むつ市の川内町漁協でも調査が行われ、山本知也市長が見守る中、水深37メートルの海底からホタテの養殖カゴを引き揚げました。

川内町漁協では、2023年の高水温の影響でホタテのおよそ5割がへい死しました。

20日の調査の結果、死んだ貝の割合は1.3%でした。

【川内町漁協総務部 笠井俊二部長】
「きょうの調査の結果では順調に生育、成長しているという状況なので、一安心しているところです」
「高水温に対する対応対処をして、1枚でも多く生存率が高まるようになれば良いなと思います」

【むつ市 山本知也市長】
「だいぶ生きていますので、今のところ順調なのかなということに正直ホッとしています」

養殖ホタテの調査は、湾内10の漁協で23日まで行われ、結果は7月に公表される予定です。

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