19歳女子大学生刺殺事件 バイト終わりにつけられる…「ストーカー被害」を周囲に相談 容疑者との間に何があったのか

大阪府枚方市の集合住宅で19歳の女子大学生を殺害した疑いで、交際相手とみられる26歳の男が逮捕された事件。

女子大学生は、知人に「ストーカー被害にあっている」と話していたことが分かった。

■女子大学生の交際相手とみられる男を逮捕

記者リポート:午前8時です。女子大学生を殺害した疑いで逮捕された、西光勝容疑者の身柄が大阪地検に送られます。うつむいていて、表情は分かりません。2人にいったい何があったのでしょうか。

20日朝、殺人の疑いで送検されたのは、兵庫県明石市の無職・西光勝容疑者(26)。

18日、大阪府枚方市の集合住宅で、この部屋に住む大学2年生の渡邉華蓮さん(19)の上半身を複数回刺し、殺害した疑いで逮捕された。

警察によると西光容疑者は渡邉さんの交際相手と見られるという。

事件が発覚したのは、18日午後1時すぎ。大阪市内のホテルにいた西光容疑者自身からの、ある通報がきっかけだった。

西光容疑者:宿泊料金が払えない。

警察官が駆け付けると、ホテルのロビーで待っていたという西光容疑者。

西光容疑者:大量の睡眠薬を飲んだ。

などと話したあと、さらに…。

西光容疑者:実は大事な話がある。人を殺した。

記者リポート:西光容疑者の供述から、警察が枚方市内にあるマンションに駆け付けたところ、住人の渡邉さんの遺体が見つかったということです。

当時、渡邉さんの部屋には鍵がかかっていて、消防がベランダの窓ガラスを割り室内へ入ったところ、ベッドの横で布団を掛けられた状態で横たわった渡邉さんを発見。そばには血の付いた刃物が落ちていたという。

■警察へのストーカー被害の相談はナシ 「相談したいけど、相手が怖かった」と周囲に相談

同じマンションに住む大学生:前からケンカとかの声が聞こえたわけではないので、いきなりだったので、びっくりですね。

このマンションは渡邉さんが通っていた、関西外国語大学から徒歩5分の場所にあり、女子大学生のみが住むことのできるマンションだ。

大学で渡邉さんと同じ講義を受けていたという人は…。

同じ講義を受けた人:明るい女の子という印象ですね、活発な子。初対面でしゃべっても、ちゃんと返してくれるし。仲良い子は多いかな。彼氏がいることは知らなかったです。モテる子だったと思います。

警察によると、渡邉さんから過去にストーカー被害などの相談はなかった。

しかし、渡邉さんを知る人によると、渡邉さんは「交際相手からストーカー被害にあっている」と周囲に相談していたという。

渡邉さんの知人:バイト終わりにつけられていたり、家の近くで巡回されてたりと言っていました。ストーカーされてたと言っていたので、警察にも相談したかったけど、なかなか相手が怖かったから、相談はできなかったと言っていました。

警察の調べに対し、西光容疑者は「包丁で彼女を刺して殺した」と容疑を認めている。

交際していたとみられる西光容疑者との間に何があったのか。

警察は西光容疑者が渡邉さんを殺害した後、部屋の鍵を閉めてその場を立ち去ったとみて、詳しい動機などを調べている。

■警察への相談のハードルが高い場合は他にも相談窓口はある まずはだれかに相談を

殺害された渡邊さんは、ストーカー被害に悩んでいて、相手が怖かったから警察に相談できなかったと知人には話していたそうだ。

警察にストーカー被害を相談するとどんな対処をしてくれるのだろうか?

関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:警察にはストーカー相談専用の110番ダイヤルが設けられていまして、専門の担当者につないで相談することができます。そうすると、例えば加害者にどのような対応をすればいいのかという、専門的な助言や指導してくれます。

関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:それから110番通報登録システムというのがあり、いったん相談して登録をすれば、もし身の危険を感じた時に、そのボタンを押せば、直接警察にすぐつながるダイヤル登録制度もあります。そういったものを登録しておくと身の安全かなと。ただやっぱり警察へ相談するのはちょっとハードルが高いとか心配だなと思われる方は、他にもDV被害などの相談を担う女性相談支援センターといった、相談窓口も都道府県ごとにありますので、まずはどなたかに相談をすることが一歩かなと思います。

まだ事件の背景は分からないことが多いが、なぜ殺害に至ったのか、動機の解明が待たれる。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月20日放送)

© 関西テレビ