6月は賞与支給!新NISAの積立額をボーナス月だけ高くするのはあり?なし?

家計収支に合わせて効率よく資金を拠出するうえでは有効な手段に

2024年から始まったNISAでは、つみたて投資枠・成長投資枠合わせて年間360万円まで非課税での投資が可能です。

枠をできるだけ使い切るためには、ボーナス支給月などに拠出額を増やす増額設定をするのも一つの方法です。

もうすぐボーナス支給月である6月なので、検討している方もいるのではないでしょうか。

一方で、この制度を利用するうえで留意すべき点もあります。

今回の記事では、新NISAにおける増額設定のメリットと注意点を紹介します。

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2024年から始まったNISAをおさらい

2024年から始まった新NISAのルールは次の通りです。

新NISAのポイント整理。写真2枚目で「積立投資」の分散効果をグラフで見る

2024年から始まったNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円の上限設定となっています。

双方の制度は併用できるので、年間で360万円まで非課税枠を適用できる計算です。

なお、限度額の総枠は1800万円となっています。

たとえば毎年360万円いっぱいまで使用して途中売却をしない場合、5年間で枠を使い切る計算となります。

積立投資とは?

NISAのつみたて投資枠を使用できる証券会社では、定期的に定額で特定の投資信託を買い付ける「積立投資」に対応しています。

毎月のほか、毎日や毎週などの買い付けが可能な場合もあります。

つみたて投資枠は原則として、この積立投資に適用できるNISA制度です。

一方で、成長投資枠を積立投資で消費することも可能です。

仮に積立投資だけで枠を使い切る場合、月30万円まで積み立てられる計算となります。

【新NISA】ボーナス月の増額とは?

月次で積立投資を行っている場合、原則として毎月一定額を積み立てていきますが、証券会社によっては年2回程度積立額を増額できるサービスがあります。

呼称が証券会社によって異なりますが、たとえばマネックス証券では「ボーナス月(増額月)設定」と言います。

これは、年2回まで月々の積立額を増額できる制度です。

増やす金額と対象月は、事前に登録する必要があります。

一般にボーナスで収入が多い月に設定する方が多いため「ボーナス」とサービス名につくケースが多いものの、必ずしもボーナス支給タイミングに合わせて設定する必要はありません。

たとえば、大きな税金支払いや出費の嵩むレジャーシーズンを避けて、家計に余裕がある月に設定するという方法もあります。

ボーナス月の増額を利用するメリット

ボーナス月を利用するメリットは大きく分けて次の二つです。

  • 家計の収支に合わせて資金を効率よく拠出できる
  • つみたて投資枠を1年間のうちに多く使える

積立投資は、月々の余裕資金から拠出していくのが鉄則です。

家計収支の黒字以上に多くの資金を拠出する積立は、継続が困難だからです。

この原則に基づくと、ボーナス月は平時より家計に余裕が出ることから、余裕資金を多く投資に回すのは自然な考え方といえます。

資金管理に神経を尖らせることなく、より多くの金額を投資に回せるでしょう。

また、平時の拠出額だけでNISAの投資枠を使いきれない人は、ボーナス増額を活用することで、1年間でより多くの金額をNISA投資に回せます。

ボーナス月の増額を利用するときの注意点

ボーナス月を利用するときには、次の点に注意して利用の是非や増やす金額、増額月を検討しましょう。

増額したからといってNISAの非課税枠が増えるわけではない

NISAの非課税枠はあくまでつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円で、増額を利用してもこれはかわりません。

たとえば平時に月10万円でつみたて投資枠を利用する形で積立投資をしていた場合、平時の積立で枠が埋まってしまうため、この投資でボーナス増額を設定することはできません。

別途成長投資枠もしくは課税口座で積立設定する必要があります。

平時の毎月の拠出額が多い方は、枠の余裕をふまえて増やす金額を検討しましょう。

ボーナス月の金額が多すぎるとドルコスト平均法の効果は薄れる

ボーナス月に金額を集中させるほど、年間2回の「スポット投資」と実質的な投資スタイルは近くなります。

一般的な積立投資では、時間分散により「ドルコスト平均法」の効果が働いて平均の購入単価が平準化する効果が期待できます。

積立投資

その結果長期で見たときにリターンが安定しやすくなるのです。

ボーナス月の金額が他の月と比べて多すぎると、この効果が薄れてしまいます。

平時の月とボーナス月の投資額の差を小さめに抑えておけば、ボーナス月に増額しても本来の積立投資の効果をある程度残せるでしょう。

まとめにかえて

ボーナス月の入金タイミングは、証券会社によって異なります。

仮にボーナス支給タイミングが月末付近の場合、増額に必要な入金期限がボーナスの支給日より先に来るケースも考えられます。

増額をボーナスと同月にしなければならない決まりはないので、資金管理上支障がある場合は敢えてボーナス支給月の翌月に設定するのも一つの方法です。

参考資料

  • 金融庁「NISAを知る」
  • 金融庁「資産形成の基本」

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