英中銀、今年夏に利下げの「可能性」=ブロードベント副総裁

[ロンドン 20日 ロイター] - 来月末で退任するイングランド銀行(英中央銀行)のブロードベント副総裁は20日、今後数カ月中に利下げが実施される「可能性がある」と述べた。

中銀主催の講演で副総裁は、金融政策委員会のメンバーは政策スタンスに関する従来の考え方がどうであれ、入ってくるデータから学び続けると語った。

ブロードベント氏は、インフレ圧力の主な要因である賃金の高い伸びが緩やかにしか解消されない可能性が高いことを示す企業の調査結果を指摘。一方で、物価が賃金よりも緩やかに上昇しており、インフレの急上昇で打撃を受けた家計の回復につながるとして、楽観的な見方も示した。

その上で、今月発表された中銀の最新予想に盛り込まれたインフレ圧力の粘着的が低下するとの見通しは望ましいと指摘。「政策がある時点でこれまでより制約的ではなくなるという予想通りに今後も状況が進展すれば、夏の間に政策金利が引き下げられる可能性がある」と述べた。

過去2-3年の経験から人々は警戒しているが、ここ6カ月の経済の動きは心強いとの見方も示した。

また、国内経済の供給側へのショックが頻発するようになれば、BOEの運営上の独立性という現在の枠組みを維持することがより重要になると述べた。

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