「普通車」と「軽自動車」では1年でかかるコストはどれくらい違う?

「普通車」と「軽自動車」の1年にかかるコストの差はどのくらい?

普通車と軽自動車では、年間にかかるコストが大幅に異なります。

具体的に差があるのは以下の3つです。

__・税金

・燃費

・諸費用__

それぞれどの程度コストの差が生まれるのか、詳しく見ていきましょう。

税金

普通車と軽自動車では、毎年発生する自動車税が異なります。

表1

※東京都主税局「自動車税種別割」および総務省「地方税制度」を基に筆者作成

普通車は総排気量が増えるごとに自動車税が高くなり、最低でも毎年2万5000円の支払いが必要です。

対して、軽自動車は一律で毎年1万800円の支払いで済むため、コストとしては約1.5倍以上の差が生まれます。

また、普通車は2019年9月30日以前に購入している場合、表1よりも1000円~4500円ほどの税金を支払う必要がある点にも注意しましょう。

燃費

普通車と軽自動車では、燃費にも大きな差が生まれます。

今回は例として日産(日産自動車株式会社)とホンダ(本田技研工業株式会社)で、それぞれ小型普通自動車と軽自動車の燃費(JC08モードの場合)を比較しました。

まず日産の代表的な小型普通自動車であるノートは、カタログ燃費が1リッターあたり22.6キロメートルです。

対して軽自動車のルークスは、1リッターあたり26.7キロメートルとなっています。

ホンダから発売されている小型普通自動車「フィット」の通常モデルは、カタログ燃費が1リッターあたり24.6キロメートルです。

一方で軽自動車のN-BOXは、1リッターあたり25.6キロメートルに設定されています。

このことから、燃費性能はどちらも軽自動車の方が高いといえるでしょう。

燃費はガソリン代に直結するため、コスト面では注目すべきポイントです。

例として、以下の条件でガソリン代の差を計算してみましょう。

__・ガソリン代1リットルあたり170円

・年間走行距離5000キロメートル__

この場合、1年間にかかるガソリン代はそれぞれ以下のようになります。

__・日産ノート:3万7611円

・日産ルークス:3万1835円

・ホンダフィット:3万4553円

・ホンダN-BOX:3万3203円__

数千円の差額ではありますが、いずれも軽自動車の方が安いという結果になりました。

ただし、軽自動車は普通車に比べるとエンジンパワーが弱くなっています。

そのため、乗車人数が増えたり坂道を登ったりする際は、燃費が悪くなることもあるようです。

諸費用

普通車であっても軽自動車であっても、車を維持するにはさまざまな諸費用が必要です。

普通車と軽自動車でコストの差が生まれやすい部分として、主に任意保険や車検費用が考えられます。

任意保険は、自家用普通乗用車と軽自動車を比べると、軽自動車の方が約2万3000円安く、自家用小型乗用車と軽自動車を比べると軽自動車の方が約6000円安くなる場合もあるようです。

車検費用は、一般的に普通自動車は6万円〜12万円程度が相場で、軽自動車は5万円〜9万円程度が相場です。

この費用の差は自動車重量税が関係しています。

自動車重量税は車の重量に応じてかかる税金で、普通車は車両重量0.5トンごとに年間4100円、軽自動車は一律で年間3300円が加算されます。

また、車検の際にパーツ交換や修理が発生した場合、軽自動車の方が安い傾向があります。

このことから、車を維持するための諸費用は、軽自動車の方が安いといえるでしょう。

軽自動車と普通車では年間5万円~6万円ほどのコスト差が生まれる可能性がある

軽自動車と普通車で年間かかるコストを計算した結果、税金やガソリン代、任意保険などの差額が年間で5万円~6万円ほどになることが分かりました。

ガソリン代や任意保険代は、走行距離が増えれば費用が高くなる場合もあります。逆に走行距離が少なければ、各種コストをおさえられるでしょう。

ただし、燃費などは車の乗り方によっても変化するため、維持費だけで判断するのではなく、使用目的に合わせて普通車か軽自動車を選ぶことをおすすめします。

出典

総務省 地方税制度
東京都主税局 自動車税種別割
日産自動車株式会社ノート グレード
日産自動車株式会社 ルークス 運転のしやすさ・走行性能
本田技研工業株式会社 FIT 燃費・環境性能
本田技研工業株式会社 N-BOX 燃費・環境性能

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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