美味しくなった&ビールにも合う「コンビニ漬物」 太らなくて食物繊維豊富な夏にオススメの“一石二鳥食品”

コンビニにもさまざまな漬物が並ぶ(photoacAC)

日本の食卓に欠かせない“家庭の味”がピンチだ。

「食品衛生法の改正に伴い、今年6月から、漬物の販売に保健所の営業許可が必要になるんです。厳しい衛生管理が条件のため、生産者の大部分を占めてきた農家や小規模事業者の多くが、廃業する恐れがあります」(全国紙社会部記者)

ぬか漬けなどを自宅で作る機会が減っている昨今、店頭から漬物が消える影響は小さくないが、

「一方で、コンビニ各社は惣菜に力を入れています。コロナ禍以降、自宅で食事する人が増えたためですが、特に中高年の需要が高い漬物は注目商品。改良が重ねられて、おいしくなりました」(流通ジャーナリスト)

そこで今回は、コンビニ大手3社の漬物を徹底調査。これからの季節に欠かせない、ビールのお供にもぴったりな一品を紹介しよう。

まずは、キュウリが丸ごとパックされたように見える、長崎・五島灘の塩を使った、さっぱり味つけの「冷やし胡瓜一本漬け」(ファミリーマート)から。管理栄養士・コンビニ外食研究家の浅野まみこ氏によれば、

「キュウリは水分が多く含まれているので、脱水症状に効果的です。また、汗をかくと失われやすいミネラルの一種、カリウムも取れるので、暑さ対策にもってこいですね」

同じキュウリでも刺激がほしい人は「ピリ辛胡瓜」(ファミマ)がオススメ。辛みだけでなく、ゴマの香りがビールによく合う。

さらなる刺激好きには、「かけるキムチ」(セブンイレブン)。2種類の唐辛子を使用した辛みに加え、魚介のうま味も濃厚だ。

「夏場は冷たいものを飲み過ぎて、胃腸の調子を崩しがち。キムチは発酵食品なので、腸内環境の改善が見込めます」(前同)

■夏場の食中毒予防にぴったりな一品も

また、「穂先メンマ」(セブン)には食物繊維が豊富で、同じく腸内環境を整える効果がある。

「柔らかい穂先部分のメンマをピリ辛に炒めてあり、シャキシャキした食感が楽しめます」(前出の流通ジャーナリスト)

食感重視派には「岩下の新生姜スライス」(ファミマ)も見逃せないが、夏に食べたい理由が他にもあると、前出の浅野氏は言う。

「ショウガの抗菌作用が、食中毒予防にぴったりなんです。さらに、ジンゲロールという体を温める成分も含まれており、その発汗作用が老廃物の排出を促してくれます」

野菜が原料の漬物には、健康効果の高いものが多い。では、“ビール腹”を気にする中高年にとって、ダイエットに効く漬物は?

「ポイントは『アリシン』という成分。これがビタミンB1と結びつくと、炭水化物に含まれる糖の代謝を促すんです」(前同)

アリシンは球根状の野菜に多く含まれており、その一つが「花らっきょう」(ローソン)。甘酢に漬けられたラッキョウで、小粒で食べやすいのもおつまみ向きだ。

そして、浅野氏のイチオシが「にんにく醤油味」(セブン)。独特の臭みが敬遠されるニンニクだが、この商品は3種のしょうゆと、だしで味付けされており、スッキリした味が楽しめる。

「ニンニクは、まさに“アリシンの塊”。つゆもおいしいので、ヤマイモなど他の食材を漬け込んでもいいですね」(浅野氏)

おいしくて元気になれる、一石二鳥の逸品を見つけてみては。

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