福岡でも「電動キックスケーター」のシェアサービス始まる 運転の注意点は? “飲酒運転”で逮捕者「原付バイクとは知らなかった」 福岡

【画像】JAFが「電動キックスケーター」の研修会 運転の注意点は「原付とは知らなかった」“飲酒運転”で逮捕者も 福岡

こちらの電動キックスケーター、ことしに入り、福岡でもシェアサービスが始まりました。見かけたり、自分で利用したという方もいるのではないでしょうか。便利な一方、交通ルールがあまり知られておらず、違反で検挙される事例が相次いでいます。

■中村安里アナウンサー

「研修が行われています。多くの人が参加して、真剣な面持ちです。前には電動キックスケーターがあります。」

研修には九州沖縄エリアのJAFの関係者およそ30人が参加しました。電動キックスケーターはJAFのロードサービスの対象となります。

今年3月末から福岡市で電動キックスケーターのシェアサービスを始めた「Luup(ループ)」の社員が講師を務め、車体の特徴や道路交通法による規制について説明しました。

■受講者

「キックスケーターの電池残量はユー ザーも分かるようになっている?」

■Luup 西日本グループ・本田紗也香 福岡チームリーダー

「アプリの中でも分かるようになっていて、借りるときも電池残量のゲージがどれくらいか見えるようになっている。」

現在、Luupが設置するキックスケーターの駐輪場所は全国におよそ7700か所、福岡市内にはすでに450か所ほど設置されています。

その乗り心地を体験しました。

■中村アナウンサー

「簡単にスピードが出ます。こぐ必要がないのでとても楽です。」

最高速度や車体の大きさなどが基準以内で、ナンバープレートを備えていれば、去年から16歳以上は運転免許がなくても利用できるようになった電動キックスケーター。Luupは、災害時の帰宅困難者の交通手段やCO2の削減にも期待できるとしています。

その一方で、運転に関するルールが広く浸透しているとは言えないのが現状です。

福岡県内では5月5日、公務員の女性が酒を飲んで電動キックスケーターを運転したとして現行犯逮捕されました。調べに対し、女性は「電動キックスケーターが原付バイクだとは知らなかった」と供述しています。

キックスケーターは法律上「特定小型原動機付自転車」と呼ばれます。いわば「原付」の一種で、当然、飲酒運転は禁止されています。

福岡県警によりますと、ことしに入ってから5月14日までに、電動キックスケーターの違反は30件に上っています。中でも、歩道を走る「通行区分違反」が21件と最も多くなっています。

電動キックスケーターで走行できるのは原則車道です。歩道を通行できるのは、キックスケーターが最高速度の表示灯を点滅させ、時速6キロを超えるスピードが出ない性能であること、さらに歩道に自転車通行可能の標識があることなどの条件があります。

交通違反には反則金が課され、重大な違反の場合は、罰金や懲役など刑事処分の対象となる可能性もあります。なお、ヘルメットは努力義務となっています。

■Luup 西日本グループ・本田紗也香福岡チームリーダー

「アプリ上でも違反の注意をしているので、確認して利用してもらえたら。」

気軽に利用できるようになった電動キックスケーターですが、事故を未然に防ぐためにも利用する前に交通ルールを確認することが重要です。

© 株式会社福岡放送