マカオの2024年3月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前月マイナス、翌月も悪化見通し

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

 マカオ政府統計・センサス局は5月20日、今年(2024年)3月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から2.7%減。ジャンル別では日韓レストランが21.1%減と大きく落ち込んだ一方、茶餐廳・粥麺店は2.8%増。

 同局の調査に回答した小売業者の売上額は22.4%減。各ジャンルとも前年同月から落ち込んだが、中でもコスメティック・衛生用品と時計・ジュエリーがそれぞれ32.5%、31.3%減に。

 観光都市マカオにとって年間最大の書き入れ時のひとつとなる旧正月の春節ホリデーがあった前月と比較した売上額については、飲食業で17.2%減、小売業についても25.2%減。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が26.4%減と顕著な落ち込み。小売業では成人ファッション、時計・ジュエリー、百貨、革製品がそれぞれが33.5%、32.4%、26.8%、24.3%減で、自動車は27.0%増。

 3月と比較した4月の見通しについては、飲食業の37%が減、10%が増、小売業では29%が減、15%が増とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の53%、小売業のうちコスメティック・衛生用品小売、自動車ディーラー、時計・ジュエリー小売、百貨商のそれぞれ55%、36%、35%、30%が減と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が36.6、小売業が42.9で、いずれも基準値となる50を下回り、3月に比べて4月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

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