〝たった1人の喜劇役者〟92歳・大村崑 後継者に82歳・橋爪功を指名「独特の間を持ってる」

映画「お終活 再春!人生ラブソディ」のイベントに参加した大村崑

92歳の俳優・大村崑が20日、出演映画「お終活 再春!人生ラブソディ」(31日公開)のイベントに参加。芸能界に現存する「たった1人の喜劇役者」を自負する大村は、今回初共演した橋爪功(82)を自身の後継者に指名した。

大村によれば、喜劇役者とは「台本を大事に使いながら、それをふくらませていくのが商売。いろいろ笑いを入れていったりとか、泣きを入れていったり。そういうのをするのが本業」だという。

撮影現場で橋爪の台本をチラッと見ると書き込みがあり、その内容をいじっていたという。それで大村は〝あ、この方は喜劇できるな〟と直感。「彼は完全な喜劇役者です」と断言する理由をこう明かした。

「相手してやっていったら、どんどんノッてくるんですよ。そういう意味では、真面目なおとなしい、不思議な間をもってやるお芝居する役者さんが、喜劇(のセンス)を持ってるっていうのは、ものすごいうれしいんですよ。アッて言ったらバッて返ってくるし、カッっていったらバッと返ってくる。非常に面白い間を持ってんですよ。独特の間、持ってるんですよ。邪魔くさ~い間、みたいな。自分で計算してんですよ。それがみな笑いに入ってくるんですよ」

橋爪については、2人でのシーンが多かった勝俣州和(59)も「台本通りやらないんで、あれほとんどアドリブですね」と証言。勝俣からしたら「映画を撮ってるっていう意識が1つもなかった。アドリブコントをやりに行って、で、帰ってきて…」という感覚だったそう。

今月8日の試写会イベントで、〝元気ハツラツ〟にスクワットを披露する大村に対し、橋爪は「怪物だよ」とぽつり。大村はその時を振り返り「なかなか出ませんよ、そんなセリフ。そういう意味では、僕は大尊敬できる喜劇役者だなと思ってます」と太鼓判を押した。

また、今後何をやりたいか聞かれた大村は「長いこと日本舞踊を稽古してるんだ。それも女形(おやま)さんの女の踊りを10年近くやったんですけど…。だから、おばあちゃんを…それも上品なおばあちゃんをやりたいなぁ」と夢を語っていた。

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