遺体搬送の再開めど立たず 捕獲用の箱わなを継続 警察官2人がクマに襲われた山林 秋田・鹿角市

秋田県鹿角市の山林で18日、警察官2人がクマに襲われた。2人は遭難した男性の遺体を発見したが搬送できず、20日も再開できなかった。市が箱わなでクマの捕獲を試みているが、周辺は餌が豊富で効果は不明とされている。

鹿角市十和田大湯の山林で18日、遭難した青森の男性とみられる遺体を搬送していた警察官2人がクマに襲われた。

20日は鹿角市役所で臨時の会議が開かれ、市や警察の担当者、猟友会など17人が、経緯や捕獲に向けた対応を協議した。

会議では猟友会から「山はタケノコなどの食べ物が豊富で、箱わなの効果があるかは不明」といった意見が出された。

警察官が襲われた時の状況について、鹿角市農地林務課の北方康博課長は「目撃者によると、あまりに一瞬の出来事で、その場から立ち去るので精一杯。クマの大きさなどを全く確認する余地はなかったと聞いている」と説明した。そして「できる捕獲手法は、今のところ“わな”しかない。長い期間入らない状況であれば、増設も検討していかなければ」と話した。

鹿角市は、警察官が襲われた日のうちに周辺を入山禁止にしたが、シーズンを通して継続することにしている。

鹿角市農地林務課・北方康博課長:
「“入山禁止”と呼び掛けている場所は、危ないから呼び掛けているのであって、そこには絶対に入らないでほしい」

一方、警察によると、依然として遺体の搬送の再開のめどは立っていない。

19日の捜索では、上空から担架や人影を確認したほか、地上から車で現場への接近を試みたが、やぶが生い茂り、クマが近くにいる可能性もあるため搬出には至らなかった。

警察は、やぶの刈り払いなども含め、遺体の搬出方法を引き続き検討するとしている。

また、秋田県は隣り合う4県に、県内の入山禁止のエリアに立ち入らないように周知してもらうよう要請する方針で、現在、時期や方法を検討しているという。

© 秋田テレビ