水族館のマンボウ海へ 心電図や発信器つきの記録計で生態解明も目指す 鹿児島市

鹿児島市のかごしま水族館で展示されていたマンボウが20日、磯海水浴場で海に放流されました。

マンボウには心臓の動きを計る機械などが取り付けられていて、生態解明のためのデータ収集が期待されます。

鹿児島市のかごしま水族館。屋外にあるイルカ水路を悠然と泳いでいるのは2024年3月に鹿児島県肝付町内之浦の定置網で保護され、以来、ここで展示されているマンボウです。

水路の水温が20℃を超え始め、マンボウの健康に影響をおよぼすおそれがあるとして20日、海へ帰すことになりました。

「とったよー!」3人のダイバーでマンボウを包囲し、速やかに捕獲しました。

マンボウの生態には不明な点が多いことから、水族館と長崎大学が共同でマンボウに機械を取り付け、今後の研究に繋げます。

田中慎介記者
「マンボウに取り付けられる機械です。マンボウの心臓の動きを計ります。そして結束バンドは4日後に自動的に切れて機械を回収する仕組みになっています」

マンボウはトラックで磯海水浴場へ運ばれました。

マンボウに心電計を取り付けるのは、世界初の試みです。

センサーをどこにつければ、心臓のデータを正確に収集できるか、確認しながらの取り付け作業です。

スタッフ
「ここを持って下さいね。下ろしまーす、動かしまーす」

心電計や発信機の重さは約300グラム。4日後に切り離されて、人工衛星からの電波を頼りに回収されます。

シートに横にされたマンボウは、スタッフによって慎重に海へと運ばれ、まるで手を振るかのように、ヒレを動かしながら錦江湾の奥へと泳いでいきました。

長崎大学 環東シナ海環境資源研究センター・中村乙水准教授
「普通にゆったりと泳いで去っていきました。(心電計の)中に面白いデータが入っていたらうれしい」

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