「人気なので、私の口には少ししか…」 吉幾三さん、「幾三米」を自ら田植え 青森・西目屋村

説明を受けながら田植え機に乗り「はれわたり」を植える吉さん(右)

 青森県西目屋村の「好きです西目屋ふるさと親善大使」を務める歌手の吉幾三さん(71)=五所川原市出身=が20日、村内で「幾三米(いくぞうまい)」の田植えを行った。幾三米は吉さんが育てたコメとして同村がPRに活用。10月ごろに1200キロの収穫を見込んでおり、村内の「道の駅 津軽白神」での販売やふるさと納税の返礼品、今年デビューした日本酒「吉」と「幾三」の原料として使用する予定。

 栽培は2016年から行っており、吉さんの田植えはコロナ禍での中断を挟み6回目。今年は同村田代の前山正さん所有の水田約20アールで昨年に続き「はれわたり」を育てる。10月ごろには吉さんが刈り取りに村を訪れる予定だ。

 吉さんは、前山さんの手ほどきを受けながら田植え機に乗り込み、真っすぐに苗を植えていった。初めは真剣な表情だったが、後半はリラックスして前山さんとともに、にこやかに作業を続けていた。

 田植え後、吉さんは「良いお米がとれますように」と日本酒「吉」を田んぼに注いだ。吉さんは「自分で田植えしたコメを食べるのは格別。しかし幾三米は人気で、私の口には少ししか入らない。村役場に頼んでも『もうない』と送ってもらえなかった」と話した。

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