米軍の大型無人偵察機MQ4C、嘉手納に1機飛来 グアムから移駐 沖縄県や周辺自治体が反対する中【動画あり】

 米軍嘉手納基地に20日午後8時55分ごろ、米海軍の大型無人偵察機MQ4C(トライトン)1機が飛来した。グアムの海軍基地からの移駐で、10月まで嘉手納に2機が一時配備される。沖縄県や基地周辺自治体などは「基地機能の強化につながる」として配備に反対している。

米軍嘉手納基地に着陸する大型無人偵察機MQ4Cトライトン=20日午後8時54分

 高高度から海上の情報収集や警戒監視、偵察活動を担うMQ4は、グアムの海軍基地を拠点に活動している。一時配備は、中国などを念頭に情報収集や警戒監視を強化する狙いがある。同機が嘉手納で運用されるのは初めて。

 配備に伴い、運用に関わる隊員約50人も嘉手納に移駐する。

米軍嘉手納基地に着陸する大型無人偵察機MQ4Cトライトン=20日午後8時54分

 米軍は昨年10月、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)から無人偵察機MQ9(8機)を無期限で嘉手納に移駐した。

 無人機の相次ぐ運用に玉城デニー知事は「非常識。基地負担軽減に逆行している」と述べていた。地元嘉手納町の當山宏町長は「新たな機体が増えることは基地機能の強化になる」と不満を語っていた。安全性や騒音など、住民生活に与える影響を調査する。

 県議会の自民、公明の両会派は沖縄防衛局に対し、配備の再検討や説明会の開催などを求めて要請した。

 MQ4は全幅約40メートル、全長約15メートル、全高約5メートル。滞空時間は約30時間で、航続距離はMQ9の約1.7倍。(中部報道部・砂川孫優)

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