「ドクドク」とるマンボウ海へ帰る 生態解明へ心電図センサー着け水深の影響調査 かごしま水族館

放流のため磯海水浴場沖までマンボウを運ぶ職員ら=20日午前10時すぎ、鹿児島市吉野町

 鹿児島市のかごしま水族館は20日、屋外のイルカ水路で展示していたマンボウ1匹を鹿児島湾へ放流した。職員が磯海水浴場へ運び、小型記録計を取り付けてから海へ誘導した。今回は初の試みとして、心電図のセンサーも装着した。

 調査は長崎大学との共同で6回目。前回までに水中での体温調節行動を確認した。今回は心電図センサーを付けることで、水深による心拍数の変化を探る。また、小型記録計は4日後に魚体から分離され、漁船で回収。この間に計測した水深や体温、心拍数などのデータを取得する。

 同大環東シナ海環境資源研究センターの中村乙水准教授(38)は「無事に放流できてよかった。データを回収して生態解明に少しでも役立てたい」と話した。

 マンボウは全長90センチ、体重30キロ。3月28日に肝付町の内之浦漁協の定置網にかかり、捕獲された。

放流のため捕獲したマンボウの大きさを計測する職員=20日午前9時すぎ、鹿児島市本港新町
イルカ水路でマンボウを捕獲するダイバーら=20日午前9時すぎ、鹿児島市本港新町

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