ヘリ墜落後の記念切手に鹿屋市長「値打ちある」発言 「基地とともに発展してきた歴史に大きな汚点」 市議会が議会での謝罪求め申し入れ書

申し入れ文書を鹿屋市議会の花牟礼薫議長(右)から受け取る中西茂市長=20日、鹿屋市役所

 鹿児島県鹿屋市の中西茂市長が4月、墜落事故があった海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプターの同型機が写った記念切手について「事故後の写真で値打ちがあるのでは」と発言したことを巡り、市議会は5月20日、中西市長に議会での謝罪などを求める申し入れ書を手渡した。中西市長は取材に「深くおわびする。6月議会で改めて話したい」と述べた。

 市議会は、同日あった議会運営委員会で文書の内容を決めた。発言について「人命の尊厳を冒涜(ぼうとく)するもので、基地とともに発展してきた鹿屋市の歴史に大きな汚点を残した」と表現。厳重に抗議するとし、議会での早急な謝罪を求めた。処分を含めた責任の取り方は、市長自身の判断とした。

 議運委後、市役所で花牟礼薫議長が文書を手渡した。中西市長は報道陣の取材に、「申し入れを重く受け止める」とし、自身の処分については「いろいろな方法がある。これから検討したい」とした。

 発言を巡っては、市に17日までに苦情や意見が144件寄せられた。墜落したヘリ1機が所属する海上自衛隊小松島航空基地がある徳島県の小松島市議会は1日、中西市長の発言に抗議する決議を可決した。

鹿屋市の位置を地図で確認する

© 株式会社南日本新聞社