災害時の初動体制確認 県など図上訓練 千島海溝巨大地震想定【岩手】

図上訓練で被害状況などを整理、共有する県職員

 県は20日、太平洋沖の千島海溝周辺を震源とする巨大地震・津波を想定した2024年度の図上訓練を県庁で行った。県本部職員が警察や消防、自衛隊などの関係機関と被害状況や支援要請についてやりとりし、大規模災害時の初動体制などを確認した。

 異動による人員の入れ替えなどを踏まえ、災害対策本部長の知事を補佐する支援室の業務を確認し、災害対応力の強化を図ろうと毎年度実施。今回は県本部支援室の職員をはじめ、県警や盛岡地区広域消防組合消防本部、自衛隊岩手地方協力本部など約80人が参加した。

 訓練は、2026年1月20日午前9時27分ごろに十勝沖で震源の深さ約30キロ、地震の規模(マグニチュード)9・3の巨大地震が発生して北海道東部で最大震度7、本県で最大震度4を観測し、同9時30分に本県太平洋沿岸に大津波警報が発表されたとの想定で行われた。

 県職員は災害対策本部員会議の開催準備などと並行し、情報班や対策班などに分かれ対応。情報班はパソコンやホワイトボードを活用して随時更新される津波の到達予想時刻をはじめ、各地の被害・避難や交通・ライフラインの状況などを整理。対策班は孤立地域やけが人などの情報を関係機関と共有し、必要な支援や救助の要請・手配に当たっていた。

 初動対応について、県防災課の駿河芳典防災危機管理監は「情報の共有など基本的なことはできていたが、支援要請時だけでなく、その前の段階で施設が使用可能かなどが確認できていなかった」と振り返り、「班ごとにできなかった部分や改善のための意見をまとめてもらい、マニュアルの変更などに生かしていきたい」と話していた。

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